1998年4月号

家庭を離れた子供達


4月になって新しい園児達が入園してきました。 入園式を終え、翌日からはお母さんから離れて数時間を過ごします。 門の所で大泣きする子供は今年は見られませんでしたが、べそべそと泣き、 もう帰ると絶対お部屋に入ってこなかったHくんがいました。 遊具の上で過ごし、どうにかその時間をやり過ごして帰っていきました。
  それから家庭との違いに戸惑う子供の姿もあります。 くつを自分でくつ箱にしまわなければならないこと。 男の子用のトイレの前に立っておしっこをすること。 朝の支度(おはようぶっくにシールを貼る。 かばんや帽子、コップやタオルを所定の場所に掛ける。)をすること。 おやつは皆でお祈りをしてから食べること。おやつはおかわりがないこと等々。 すぐ順応しているように見受けられる子供もいますが、それでも緊張しているようです。 入園して10日も過ぎると急に泣き出したり、固くなって動かない子供の姿が出てきます。 幼稚園の生活を頑張って良い子で過ごしている場合、どこかで無理が出てくるのですね。 保育園と違う目的の幼稚園であっても、 各お部屋には家庭の延長の様な雰囲気が漂っており(もちろんトイレも!)、 居心地よく、保育者が母親の様に保護してくれ、 助けてくれる存在であるよう心掛けなければなりません。 でもそれは決して子供に媚びた子供っぽい場所や対応というのではないのです。
  最初に泣いていたHくんはもうにこにこ笑顔でやってきます。 今は担任の先生という人間を試そうと、いろいろ仲間とくっついてお部屋から逃げていきます。 もうそんな余裕が出てきているのです。 何が出来るといって、小さい子どもたちがお母さんから離れて笑顔で過ごせるなんて、 とてもスゴイことなのですよ!

つくしっこクラブ
友だち追加