2001年12月号

ひまわりさん   『はじまりの時』


 クリスマスの季節がやってきた。キリスト教歴では、クリスマス(イエス・キリストの誕生)が1年の始まりである。そして11月の収穫感謝祭で、神様の恵みにより、実りを与えられたことを感謝して1年を終えていく。幼稚園の子供達も園のバザーでたっぷり買い物を楽しみ、おいしいものを食べ、与えられたものを満喫した11月を終え、イエスさまのお誕生をお祝いする側に回ろうとしている。自分に与えられているものを精一杯表現し、イエスさまのお誕生をおうちの方と共にお祝いするのだ。
 年長児は毎年恒例のページェント(聖書に書かれた生誕の様子を表した音楽劇)に取り組んでいる。またまた配役の事で子供も、大人も悩んだり、やる気一杯になったりする姿が見えてくる。
 3年生になる息子が、年長児の時、他園でページェントをやったのだが、最近になって妹の配役を聞き、「本当はあの時博士をやりたかったんだ…。」といい出した。いつも、出番が少ないのがいいから解説にしたんだと言っていたのに、へえーと親は驚き!、なんでなれなかったの?と問うてしまった。「だって、ぼくへただったから。台詞とか覚えられなかったし。」ふうん。子供なりに考えるところがあるのだ。プライドもあるし、自分なりに気持ちを立て直そうと試みたあともあって、いじらしかった。その気持ち、心の中に取っておくからね…とひそかに思っている。
 幼稚園生も5,6歳にして、色々思うところがある。最終決定をした保育者も悩みつつクリスマスを迎える。ただ当日子供達は知るはずだ。皆で作り上げたという喜びと感激を。一人舞い上がっていても、落ち込んでいても出来上がらないのが劇である。子供の心の揺れを受け止める温かい見守りを大人に願いつつ、当日をわくわくと喜びをもって迎えたい。

メロンさん   『井戸端状態』


 秋晴れが続き、土が乾いているので、絶好の泥だんご作りが出来るとばかり、よい土を求めて園庭中を探し巡っている子供達です。だんご作りの魅力って何なんでしょう…。私も作ってみるまでは、こんなに夢中になるとは思わなかったのですが、今は…いえ今もはまっています。だんごの魅力もさることながら、もう1つの魅力は、作っている皆とワイワイ!ガヤガヤ!話をする事。テレビの話だったり(金曜日になると決まって出るのが怖い話…「先生、お化けって本当にいるんだよ、昨日テレビで言ってたもん」など。皆はいったいどんなテレビ番組を見ているの?)お父さん、お母さんに叱られちゃった話、お姉ちゃんの自慢話、習い事の話などなど、ほとんど井戸端会議状態です。そんな中に私も入れてもらい、だんごをにぎっているのは、至福のひとときです。
 しかし、後ろを振り替えれば、今日も色々な所でトラブルが…。砂場で泣く男の子1人と、もみあっている男の子2人。「どうしたの?」と聞いても、周りにいた子はそれぞれが違った視点から見た事を伝えてくるので、頭の中でこんがらがる、こんがらがる!
 何とかまとめると、A~E君が遊んでいた砂場の池作りにF君が「入れて」を言わずに入ってきた事が原因らしい。A君がF君の事を叩き、見ていたB君は「叩いちゃだめなんだよ」とA君を叩き(!)、もみあいになった所でE君が転び、作った池に、ズボン 靴がはまり濡れて大泣きする。F君といえば、C君とD君と仲良く池で遊んでいる。(A~E君は年少児、F君は年中児)
 「何で叩くんだよ」「お前が叩くからだぞ」と最初の原因はどこえやらのA君とB君を押さえているうちに、私の手の中のだんごは崩れ、「ふぅ」とため息。「さぁて、どこから仲直りしようか…」気持ちを入れ替え向き合うと、北風がさぁーっと吹きあれ、桜や藤の木の葉っぱが舞い踊る。「わぁ~!きれいだぁ」と子供達の歓声があがる。“ん!こんな光景どこかで見た”そう4月、桜の花びらが舞う中、皆はお家に帰りたくて、わんわん泣いていたね。今はこんなに笑うし、泣くし、けんかするし、皆元気一杯。それだけでやっぱり幸せだね。

つくしっこクラブ
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