2003年12月号

成長していく中で


 給食やお弁当を子供達といただくひとときは、楽しいものです。子供達の様子をよく見ることもできますし、どんな話をしているのかな?ということから、子供の内面をかいま見ることもあります。年長児は小学校の就学時健診が終わって、小学校という場所がちょっと意識されはじめます。会話も、誰が好きか!という話が堂々とされていたり、小学校で流行っているリズムフォーをまねしてお兄さんぶって食後にやっていたりすることもでてきました。子供の世界も厳しくて、知っているか知らないかで、はずす、はずさないという姿も見つけます。そのような時は、一人ひとり、興味を持っていることが違うということ、違っていて良いことを話しています。また同じような話題を話したくても、うまく話せない場合もあるということ、保育者が間に入って通訳しなければならない場合も見受けられます。ツーカーで気持ちが伝われば、楽ですし、そういう人と仲良くなっていくのでしょうが、様々な人々と出会っていくのが現実です。
 先日も、折り紙で折った手裏剣(これはユニット折り紙の一種で、なかなか高度な折り紙です。)やめんこが年長男児ではやっている中で、こんな姿を見かけました。家で色々な色あわせで折った手裏剣を牛乳パックで作ったケースに入れて、大事そうに持ってきたM君。(お母様も大変だったかもしれませんね。)光沢のある折り紙で折ったものが大人気で、欲しそうにしている男児が周りにいて、
「あした、この折り紙もってこいよ!」と頼んでいます。耳にしていた私は、ぴかぴか折り紙に憧れているのだなーと感じましたが、園にはそのままの折り紙を持ってこられないことを話しました。頼まれた方も負担になりますからね。
「だって家では折り紙買ってもらえないし…」という不満で意気投合している姿もあって、園で作って、家でもその続きをしたい小学生もどきのような姿を見せています。仲間関係も手裏剣を分けてくれたかくれないかで、微妙です。年長児の姿を注意深く見ていかなければならない時期だと感じるこの頃です。それと共に、年長児が自分なりの目標を持って、やる気を持って活動し、認められていく時と場を、用意していきたいと考えています。

落ち葉遊び


 水戸幼稚園には二本の桜の木があり、四季折々の姿を見せてくれます。4月は一面の花びら、そして新緑のすがすがしい緑、暑い夏の日には大きな木陰ができ、子ども達を暑さから守ってくれます。そして11月、黄色から徐々に紅葉を増し みごとに色づいた桜の葉。ひらひら落ちてくる葉の数もだんだん多くなり、連休明けの園庭は真っ赤な絨毯の様にとても綺麗でした。子ども達も この落ち葉を拾って様々な事に挑戦!お面、動物、ネックレス等を作ったり、沢山集めて布団の様に掛け合ったりしました。集めた落ち葉をぶわっと空に放り投げると葉っぱの香りがかすかに匂い「いいにお~い」と思いっきり深呼吸する子もいれば「くっせー!!」と鼻をつまむ姿も見られ反応は様々。大人の私にはなんだか懐かしい匂いでした。そんな中で目立っていたのは年少のY君。手押し車に葉っぱを沢山積んで一カ所に集める事を繰り返しています。なにやってるのかな?としばらく見ていると「ごみ収集車です、どいて下さ~い」という声が聞こえ、納得!!せっかく集めた落ち葉の山を何回も移動し、掃除のおじさん?お兄さん?になりきっていました。よーく見ていなければ分からなかったけれど、1人で黙々と運んでいたY君、きっと園庭中の落ち葉を掃除したかったに違いありません!!

つくしっこクラブ
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