2004年2月号

このままのすがたで


 色々なことがあった1年でした。失敗が多々ありました。子どもたちの気持ちを考えて、またこんな体験をさせてみようと保育者が話し合ったことが、やや空回りで終わってしまったこともありました。本人の能力が発揮できる、ちょっと難しいこと、簡単には実現できないことが必要なのですが、簡単すぎて、なんだよこれ!と軽くあしらわれたり、保育者の説明がわかりにくくて、わかんない!と投げ出してしまったりするお子さんの姿も、時にはありました。そのたびに活動を振り返り、次へとつなげていきました。
 そして今、おとなしかったD君が声を出してせりふを言っています。(どきどきしているのは、わかります。)鉄棒で逆さまになるのが怖かったRちゃんが、目をまん丸くしながらも、補助を受けて逆上がりをするようになりました。B君が怖くて避けていたJ君が、「そんなことしちゃいけないんだよ。」と言い返しています。一人ひとりの成長の幅には差がありますが、どのお子さんを見ていても、1年前の姿との違いを感じることができるはずです。2月の誕生会に見せてくれた、子どもたちの表現活動では(ひなまつり会で見せるプログラム)、子どもたちの自分たちで選び考えたという意識や、強い意志を感じ、心がふるえる瞬間がありました。神様に感謝せずにはいられないひとときでした。
 卒園、進級が間近です。このままの姿で神様から愛されているという実感が、それぞれの大きな支えであり続けますようにと、祈っております。

成長を感じて


 2月を終え3月の園便りを見ると、卒園式・終了式の予定が目に入り 今年度も残りあとわずかなことをしみじみ感じます。この時期の子ども達からは“あれ?こんなにお話できたかしら?”“いつの間にできるようになったの?”と毎日の何気ない中にも 一人ひとりの成長が感じられ、驚かされています。今回は、そんな日常のひとこまを紹介したいと思います。先日のお弁当の時間、年少組のT君とW君は隣同士に座りました。W君は半分くらい食べ終えると“もういらない…”という雰囲気で、焼き鮭の入ったアルミカップをテーブルに出し 眠たそうにし始めました。それを見ていたT君。W君のフォークを取り出したので、何をするのかしら?と見ていると、ぎこちない手付きで鮭をすくい始めました。そして そーっとW君の口の前に運んであげたのです!「W君、ほら!」と声を掛けますがW君の口は開きません。すると今度は「いらないのかな~?」と、顔を覗き込み、アルミカップを弁当箱の中に戻し、蓋まで閉めてあげました。大人がやれば簡単な、少しの手間で出来てしまう事です。でも、年少のT君はそれを5分くらいかけてやってあげていたのです、驚きでした。いつものT君からは、想像がつかない出来事だったので、本当に嬉しく感動しました。“あー、成長したんだな…”と思える瞬間は、ちょっとした時に出会えるんですね。今年度も残りわずかですが、沢山の微笑ましい場面に出会えるよう子ども達に寄り添って保育していきたいなと思います。

つくしっこクラブ
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