2006年6月号

梅雨時の雨のように、じっくりと


今年の梅雨は、思いの外日中は雨が降らず、子どもたちは庭での活動や遊びに裸足で駆け出していました。桜の大樹の下で、かなづちやのこぎりをの音を聞いていると、平和をしみじみ感じます。新年度が始まって2ヶ月がたち、様々な場所で自分のやりたいことをじっくりと楽しむ姿を見ることで、私たち保育者も気持ちがほっとするのでしょう。
木工は生活を豊かに広げる道具類を扱い、自分のイメージを実現しようと試みやすい活動です。大人のイメージするものとは違う作品になりますが、そのことで私たちの錆び付いた感性が洗われると感じます。熱心に向き合っていく子どもたち。特にこの活動が気に入った5歳児のお子さんには、こつこつとやり続けられるよう時間をとってあげることが大事ですね。
幼稚園の隅々まで使って遊べるようになってくると、仲間との関わりにも様々なトラブルが出てきます。蹴とばされたと涙目の4歳児のCくん。こそっと見ているとやったであろう3人の男児が「Cくん、ごめんね。ごめんね。」とすすんで謝りにきていました。「うん。」と返事をして、また二階へ。ちょっと仲間に入りたいようです。しばらくして私もあがっていくと、またまた蹴とばされたと不満顔のCくん。「だってKくんをを守ろうとしたんだよ!」と3人組は仲間同士で団結があるようです。どうしたら違うと感じるメンバーとも遊べるのか子どもの目線に立ちたいと思います。結局満足感を味わえなければ、心はぎすぎすしてしまい、相手の気持ちを知ろうという余裕はできにくいので…。

砂+水=足湯


裸足で泥遊びが大好きな子ども達。大きな穴に水をいっぱい溜めて足を入れれば、あっという間に海や川に変身です。この穴ひとつあればすぐに子ども達がたくさん寄ってきて、グループや年齢問わず、みんなが楽しみ始めます。
ある子は船を浮かべ、またある子は足を入れてジャブジャブ。水や泥が苦手なあの子は少し離れた所からその様子をじーっと観察。泥水に浸かって、顔も洋服も真っ黒にしながら温泉気分を味わう子もいます。
先日、「先生のおててつるつるにしてあげる!本当はここ足湯なんだけど、特別に手湯にしてあげる!」と、裸足でなかった私を気前よく仲間に入れてくれたBちゃん。手を入れると泥をたくさんかけてマッサージしてくれ、そのひんやり感のなんと気持ちよかったこと。暑くて急上昇していた体温がスッと下がっていくのがわかりました。
マッサージが終わって泥水の中から手を出してみると私の手は泥で真っ黒…。それを見て「先生、黒い手袋してるみたい」とにこにこ顔のBちゃん。その発想に思わず笑ってしまいました。黒い手袋を洗い落とし、Bちゃんにつるつるになったかどうかを確かめてもらった所、「う~ん!つるつる♪」と自分のマッサージの腕前に酔いしれている様子。
私も裸足になって足湯を体験してみよう!と思ったのですが、その日は時間がきてしまい、体験できずじまい…。
明日こそ裸足になって今日よりもっと大きな足湯を作ろう、と約束して幕を閉じた一日でした。

つくしっこクラブ
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