2007年5月号

みーつけた!


5月は通常の保育が始まる月です。保育時間が長くなるので、色々な事にじっくり目が向き始めます。「先生の名札はなんで小さいの?」とか「なんで漢字で書いてあるの?」と名札一つをとっても、去年と違う物を付けていると、意識します。そう!見つけるという行為は、普段見過ごしている物事を意識するという事なのではないでしょうか。
大人になると仕事に忙しいからでしょうか、立ち止まって意識して見る、眺める、感じる、ということが随分と減るようです。寂しいことです。見つけるということは、とても楽しい行為なのです。先日の保育参加でも、一番下のお子さんになって、「やっと立ち止まって子供と関わったり、眺めたり出来て、とても楽しかったです。子供ってほんとにおもしろいですね。」と感想を話してくださる方があり、そういう経験をしていただければ、子育てが楽しみになるはずと、嬉しく思いました。
この写真は園外保育で土手を歩いていて見つけたクローバーの群れです。そのミニサイズに数人の子供達も私もびっくり!「ちいさーい!」「こんな小さい中から四つ葉を見つけるのは大変そう。」とつぶやきながら、年長児はしばらく探してみます。前を歩いていく同じクラスの子供達が見えなくなるぎりぎりまで探したのですが、見つかりませんでした。幼稚園の先生はこんな時をいくつになっても味わえるのですから、仕事がフルに忙しくても幸せなのかもしれません。
園長 松本晴子

どうしよう?


子供達を遊びに誘った時、「できないから嫌」「まだ練習していないからやらない」という言葉をしばしば耳にします。先日私は、A君とB君を誘って大縄跳びをしました。A君は「まだできない」と自信がなさそうでしたが、やりだしました。一方B君は何度誘っても「やらない」と近くで見ていて自分ではやろうとはしません。私はA君に色々な方向を向かず、同じ場所で跳ぶことを知らせました。するとA君はすぐに続けて跳べるようになりました。そのうち近くにいたC君が「一回やる」と参加してきました。C君もまだ跳び方が一定していないのでA君と同じアドバイスをすると、すぐに跳べるようになり、嬉しくて「お昼までずっと跳ぶ」と言って何度も練習しました。B君はその様子をしばらく見ていましたが、違う遊びに向かってしまいました。
私は3人の子供達を見ながら、お子さんによって様々なレベルの障壁があるのだなということを改めて感じました。「できないけれどやってみよう。おもしろそうだから一回だけやってみるか。僕もできるかな、やろうかな、止めようかな、やっぱり…」
遊びの中には簡単にできてしまうものもあれば、何度も練習してできるようになるものもあります。年長さんくらいになると、できない自分を恥ずかしく感じたり、友達と比較する気持ちが出てきたり、失敗を恐れる、何度も練習するのは嫌等々、物事の難しさというよりプライドとの闘いの方が大きくなるようです。心のほんの一部分にでも「体裁を考えずにやってみようか」とう思いが強くなれば、もう足は運んでいけるのだと思います。
実際に跳びはしなかったB君はどんな気持ちで友達を見ていたのでしょうか。見ていたということは…視覚イメージは入ったということにもなります。心の葛藤をしていたB君がいつか一歩を踏み出すことをねらっていきたいと思います。

つくしっこクラブ
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