2012年6月号

学 舎


この時期になると幼稚園は男の子も、女の子もパワーが一段とついてきて、給食はもりもり食べるわ、体はよく動かすわ、テレビのキャラクターの戦いごっこも4歳児で派手になるわと、圧倒されます。4歳児男児は手に手に武器を作って持っており、なかなか様になります。私自身は、映像の世界で悪を(敵を)倒すということが毎回放映されているのですから、このかっこいい正義のキャラクターになりきるごっこあそびを止めることは難しいと感じています。それならば、見方と敵とは?正義の側と悪の側とは?強いものと弱いものとは?かっこいいとださいとは?痛めつけると痛めるとは?などなどその場で起こる子どもの悩めるドラマに立ち会い、考えたり思いを馳せる一助にしたいと思うようになりました。
先日心に残る出来事がありました。仲良し2人(4歳児)が大人から見ればささやかなことで、気を悪くしました。どちらがこのかっこよくみえる遊具を片付けるかで、もめたのです。片付けたいと思わせるその遊具の魅力もすごいものです(笑)。ちなみにデンマーク製です。喧嘩をはじめようとする2人に思い切ってまかせてみることにしたのですが、派手につかみあう2人を脇で見守る私の他に、5歳児のRくんが自分の遊びを片付けながら2人を見守っていました。そして、絶妙なタイミングで力で押されていく(負けそうになる)ほうに「あきらめんな!」と声を飛ばしたのです。たった1回。Rくんも一杯喧嘩してきたメンバーに入ります。緑の葉陰で起きているこのドラマは、なんともさわやかでした。タイミングをねらって私も、「さっきのあれ、Gくんが片付けちゃったみたいよ。。。」と伝えてみました。「え!」2人は手を離し、拍子抜けたように顔を見合わせ笑い出しました。なにそれ~というように。幼稚園は本当に人生を学ぶ学舎だと実感する毎日です。
園長  松本 晴子

心も体も強く大きくなりますように…


最近、食事は単に命を繋ぐためだけでなく、心を育てると言う観点から注目されています。世に言う「食育」です。その中には、食事中のマナーから箸の使い方にはじまり、自分の健康や栄養に関する関心を高めることなどに迄及ぶ様々な要素が含まれてきます。とにかく、楽しいおしゃべりも交えながら、何でも笑顔でおいしくいただきたいものです。今回は最近の給食の日の出来事からお分かちしたいと思います。

【1】「おかわりは2回までだよ!!」(園では目安を設けています) 思わず3回目のおかわりに向かっていく仲良しに、M君が声をかけました。声を掛けられて固まってしまったN君に追い討ちを掛けるように、「だめだよ、3回は!! おかわりは2回迄なんだからね!!」の声が飛び、 2人はもみ合い押し合い…。そして、保育者が介入することとなりました。給食がおいしくてN君は回数を忘れてしまうほど「もっと食べたい」と思っただけで悪気はなかったのですが、「とっても食べたい」と言う気持ちを我慢して「2回」というルールを自分に言い聞かせていたM君にとっては許せなかったのです。互いに強い思いがありました。その後、星組の2人はどうなったかって? 勿論、何事もなかったかのようにいつものように仲良く遊びました。(いいですねェ~。)

【2】「天井まで大きくなれるかなあ…」 「野菜を食べると大きくなるって、光組のお兄さんが言ってたよ。」と言う保育者の言葉に、「大きくなりたい!!」と思ったO君は野菜を口に入れてみました。「おいしい!!」と言ってパクパク食べ進み、その日の給食を完食。おかわりまでしてしまいました。食べながら、同じテーブルの仲間とどのくらい大きくなるかで会話も弾み、「天井まで…」には大笑い。野菜が苦手でいくら勧めても、なかなか口を開いてはくれなかったのが嘘のようです。次の日、抱き上げ、「重くなった。大きくなったね。」と確認(?!)する私に「うん!!」と輝くばかりの笑顔のO君。まだ口に入れられない野菜もありますが、「おいしい!!」出会いをする中で、だんだんに克服してゆくことでしょう。大きくなるのには時間がかかるんです。それが分かっていても、すぐにでも大きくなると思えるところが羨ましい!! (私は年をとり過ぎてしまいました…。)
フリー担当  深谷幸代

つくしっこクラブ
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