2013年1月号

いつもとちょっと違うこと


雪が降って、いつもの幼稚園と環境が変わって、普段目にしない子どもの姿を目にします。いつも遊んでいる友達が雪で来られないという違うメンバーの環境の中で、普段は押さえてやらなかったことを、自分の好みの遊びとしてやり始めていきました。自分の座っている小さい半径から、凍った雪を砕きはじめ、それをどんどん広げて円状に氷を砕いていくさまは、なんとも清々しく、不思議な空間でした。女児がそこになんとはなしに加わり、今度は2人で輪を広げていきました。その集中たるや、驚いてしまいます。

人間には集中へと入り込める時と場があるのですね。それはどんな人にも用意されているのだけれど、現代はそれを邪魔してしまう魅力あるものも多いのです。時には友達を思う心や、力関係から、やってみたいことを遠ざけてしまう姿もあります。だから人生には思いもかけない、いつもと違うことが降ってくるように出来ているのかもしれません。いつもと違うことをチャンスと捉え、取り組んでみるという人生でありたいです。子どもたちを見ていると、そうであってほしいと心から思います。幸運は物事のとらえ方で、目に見える物事に置き換えられる。自己実現したいことが見えて、取り組んでみて、夢中になって、終わって満足を覚える。そんな自分に気がついてくれたものがいて(人でも、通りすがりの猫でも、ぺんぺんぐさでも、そよ風であっても)同じ空気を吸ってくれて、じゃあまた。。。と去っていく。こんなことが、人を一回り大きくしていくのだと思うのです。なんか『のはらうた』(くどうなおこ著)を読みたくなってきました。雪が降ったおかげかな。
園長  松本 晴子

心働かせ つながって…


1枚の年賀状が届きました。素敵な笑顔の写真(現在の僕)に「泣き虫だった僕を覚えていますか?」という文が添えられていました。思春期前期に入る君が、突然そんなことを伝えたくなるなんて、何かあったのでしょうか。また、初場所といえば、日馬富士が全勝優勝しました。安馬と呼ばれていた頃、星組なのに「相撲が上手いから、きっと横綱になるよ!」と言ってた君は、もう、4年生。歓喜する姿が浮かびます。
新年が明けてから、私の手を離れた子どもたちのことを通して、改めて「つながる」いうことについて、いろいろ考えさせられています。

寒い日が続きますが、皆様寒さ対策は万全でしょうか。年中組のA君はお家でメダカの図鑑を見ていて、「先生に知らせなくちゃ!」と思ったことがありました。次の日の朝、早く起きて、五十音表とにらめっこしながら書き上げた文章は「かれはをいれる」でした。それを読んで、早速、園庭の枯葉を拾い集めて、玄関前の鉢に入れてみました。でも、不思議です。私がメダカの冬越しについて考えているって、A君はどうして分かったのでしょう。例年になく寒くなるというこの冬を一匹でも無事乗り越え春を迎えることが出来たら、一緒に喜び合いたいです。
(メダカのことを思っていてくれて、ありがとう!!)

なわ跳びで「3回跳べた!!」と言う報告を受け、保育者がその子とあれこれ話していました。その様子を少し遠巻きに、100回を目指すB君は黙って見ていました。保育者がB君の前を通って部屋を出ようとした時でした。「10回跳べる…。」とつぶやくB君。突然の一言にビックリしました。そういえば以前B君に、「3回跳べれば、10回跳べる。」と、練習中に声を掛け励まし続けた日々がありました。そのことを覚えていてくれたんです。仲間の取り組みをも前向きに受け止められるようになっていたなんて…。(B君にとって偶然その場に居合わせたことにも意味があったようです。嬉しくなりました。)
満3歳児担当  深谷幸代

つくしっこクラブ
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