2017年9月号

与えられた今日という日


 思いがけない天気でした。天気予報では今日は朝から強い雨でしょう。隣県の千葉県では大雨警報が出ていました。雲が海沿いに流れてくる。登園の足下は大変であろうと、予想していました。しかし雨は小降りになり、お日様も顔を出しました。園庭には大小取り混ぜて、湖沼のように水たまりが出来ていて、そこに桜の黄色や茶色、レモン色の落ち葉が落ちていて、それはそれは美しい光景でした。「あ~子どもたちも見とれるだろうな。。。」雨がやんだことに気づくかしら?

「先生、雨がやんでるよ。外に出ていい?」そういう声が、聞こえ始めました。

「遊具を拭かないとね。乗れないから。」小さな布をもって拭く5歳児の女の子達。お仕事が遊びなのですね。おずおずと水たまりに長靴やはだしで足を沈める方。深さにどきどきしたり、「冷たい!」と温度を感じたり。ぺたぺたと泥を積み上げたり、桜の木の根元にせっせとかけたり、ぱっしゃん!という音が聞きたくて、投げ入れたり。ブランコでは足下の水たまりに足を突っ込んで、水しぶきをあげながら4人でこぎまくる5歳児男児達。そのしぶきが来ると、波打ち際のように引いて、またブランコの方に近づいてと、ショーを眺める子どもたちがブランコの柵の外側にいっぱいいた瞬間もありました。きっと帰宅後「おにいちゃんたちがね、ブランコでね。みずいっぱい。」なんて、感動体験をお話しようとした方もいらしたかもしれません。おうちの方には申し訳ないのですが、全身水しぶきの泥だらけで、てへへ と立っているBくんCくんの姿は、幸せそのものでした。シャワーを浴びているときもご機嫌ではだかんぼになっていました。

年齢の小さいお子さんもそれなりに、まだ大胆さは少ない方が多くて、はだしになれて満足。。。という方が多かったですね。

 

大人の世界では、国家の元首が裏でのかけひきと、表だっての非難の応酬が続いています。平和であるということが決して当たり前ではないということに、いきなり気がついて、私自身が戸惑っています。不測の事態があったとき何が出来るか、日本全国 「わからない」という気持ちで一杯なのを感じます。国は不測の事態に備えてと、文書を教育機関にメールで送ってきます。しかしそれは初めて集団生活を送る園児に、意味がわかるように説明する言葉やイラストよりもはるかに抽象的で、初めて向き合う私たちには、意味のないもののようにしか、感じられません。国家とはここまでのものかということを、知ってしまったような気分です。

だからこそ、今目の前にいるこの子の今が、幸せであるようにと、実践したいと思います。喜怒哀楽を感じながら、精一杯今を喜んで生きる。雨が思いがけずあがったこの日は、本当に幸せな豊かな時間でした。ありがとう自然さん~                              園長 松本晴子

 

つくしっこクラブ
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