風の子さん、だーいすき

「せんせーみて~ わたぼっこがあんなところにいるよ!」今日もそんな声が響きます。劇団風の子さんが運んできてくれた、想像の世界の入り口。お芝居に出てきたわたぼっこを、5歳児の子どもたちは、先生がきっと置いているんだよね。。。とは薄々気づいているけれど、3歳児や4歳児のメンバーと一緒に楽しんでくれています。棚の上の梱包の箱を見つめて、顔に見える、あれも妖怪だよ!と子ども同士伝えあったり、本当にほんわかします。

 

風の子さんの劇の演目は、『なんかよーかい』というものでした。50分の一本物のお芝居です。これを満3歳の方から、6歳の方までが一緒に幼稚園ホールで観劇したのです。妖怪が出てくるのですから怖さもあるのですが、やはり風の子さんの作品。安心どころ、笑いに引き込むつぼ、興味から怖さを忘れるように仕立ててあります。ですから、ほとんどの方が大丈夫なのでした。最初から最後まで、一体感であふれた濃い時間でした。もちろん感受性の強い方には手に汗握るとか、音に反応して耳ふさぎなんていう体の反応も見られました。それでもその場に戻ってきて、保育者にハグされながらとか、手を握りしめてもらいながらその世界を味わい、消化して、今の妖怪わたぼっこ探しに繋がっているのでしょう。

風の子さんの小道具は劇団員さんのアイディアで、子どもたちでも作れそうという気持ちにさせてくれます。ですから、ひなまつり会というクラスごとの発表会では、年長児が同じように小道具を作って手作り劇を見せてくれます。なんともいえないドタバタさ加減は、風の子ぽくって笑いを誘うのですが、本人達はもちろん一生懸命。あーだこーだと言葉が飛び交いながら、クラスの仲間に入れてもらったり、なんくせをつけられたり。そうやって他者と出会い、体験を積み上げていく過程が見えるのでした。そうそう3歳児もなりきりで表現遊びを楽しんでいます。郵便屋さんに憧れたり、パティシエのような手つきをしたり。心の中の見えない想いを動かしながら。

 

演技者って素晴らしいお仕事ですね。見えない世界と見える世界を橋渡し出来るのですから。風の子さんからのお手紙では、「こちらが楽しませようとやってきたのに、こちらが子どもたちに楽しませてもらってしまって、あっという間の1時間でした!」と書いてありました。これ以上の賛辞はありません。素晴らしい観客達でした。

ブラボー。                           園長 松本晴子

 

つくしっこクラブ
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