1998年3月号

『食べる』ということ


平成9年度も無事終了し、年長児望組の子供達は元気に巣立っていきました。 今度は小学校での生活が待っています。
  この1年を『食べる』ということで振り返ってみました。 子供達にとって各クラスでにぎやかな雰囲気の中、おうちの方が作ってくださったお弁当を食べるということは、とても楽しみなようでした。 お母さんが(お父さんの時もありますよ!)作ってくれたものという安心感。 多少はわがままを言って「今度これ入れて。」と頼んでおくことのできる気楽さ。 お隣のお弁当を覗き込んで、「おいしそうだったよ!」と母親に報告したり、自分のを嬉しそうに見せ合ったり、食べる事の楽しい広がりがありました。
  一方週1回から2回ある給食に対する反応は様々でした。 カレーライスは大喜びのメニューでしたが、それでもカレーの中に細かくさいたブロッコリーやしめじ等を見つけると、もう食べられないという子供もいます。 それでもあえてそういう野菜を避けないで、いろいろな食材を使ってきました。ごぼうと蒟蒻、れんこんのごま味噌あえや煮物、つみれ汁やいわしの蒲焼き等和風の献立を多く取入れてきました。 見ていると食べる事に貪欲な子供の姿もあります。待ち切れずわくわくしていたり、おかわりを楽しみにしている姿。一方食事をつついて一口入れては口から出してしまう姿もあります。 「もういらなーい。」という声が毎回あがります。
  食べなくても夕食まで何も食べるものがないという時代ではありません。おやつは必ずありますし、おやつ抜きでおなかを空かせる事を試すにはとてもエネルギーのいる時代です。 運動量も全体的に少ないようです。偏食の多い子供は外で動いて遊ぶ事にも消極的に見えます。
  もうおなかがぺこぺこで、なんでもいい食べたい、あーなんておいしいんだろう。 ありがたいな、と感じる体験を積ませたいのですが、現実にはまだやったことがありません。 字が書ける、読める。足し算ができることの前に、食べる事に意欲的である生活を取り戻したいと願います。 遊びの中で人間関係を学び、また労働(手伝い)を通して家庭の生活を支えていく一員となっていく子供達であってほしいと思います。 孤食ではなく、家族団欒の食事であるかどうかふりかえって、食べられる嬉しさ、感謝を取り戻した方がいいのではないでしょうか。 一つの事を大切にすれば他も変っていくように思うのですが…。



~メニュー~


ごはん
豚肉の甘辛煮
りんごのカッテージチーズサラダ
みそ汁


つくしっこクラブ
友だち追加