1998年6月号

あるこう、歩こう!


5月、五月、新緑がまぶしいこの季節、子供達を連れて下の公園(俗称)へお散歩に行きました。 正式には沢渡川緑地といいます。 でも水戸幼稚園の子供達にとっては園庭の延長のような近さの緑地なのです。 進級児が新入児と手をつなぎ、リードする側になります。 アスファルトの道と違い、でこぼこしていて、途中丸木の段々もあり歩きづらいようにも見えますが、ころぶこともなく進んでいきます。 風が渡る中、常磐線や水戸線の電車に歓声をあげ、蛇いちごやクローバーを摘む姿がありました。 池に木の枝をたらしてつりのまねをしたり、林の斜面を「こわーい」と言いながら必死で草を掴み登っていく姿。 川の音を聞き、うしガエルの声に何?と耳を澄ませる子供達。 芝生の斜面を登ってはころがって「おもしろい!」とまた繰り返す姿。 帰る時に「あー楽しかったね!」とお友達同士で頷き合う姿にはっとさせられました。 この体験はとても大切なものなのではないかと。トトロの世界ではありませんが、子供達はたぶん知っているのです。 こういう世界が自分を豊かに育ててくれることを。 目に見えないものを感じられる力が、こんな散歩を通して心の中に広がっていくのではないでしょうか。 ぶつぶつ文句を言わず、のんびりゆったり緑の中を歩いてみましょう。 もちろん立ち止まるのも大歓迎です。
そういえば、5月5日子供の日の朝日新聞の天声人語に紹介されていたお話。 『月夜のみみずく』ヨーレン詩/工藤直子訳/(偕成社)が園の絵本のコーナーにあります。 一度見たら忘れられない空気が漂った作品です。 機会が在ったら手に取ってみてはいかがですか!

つくしっこクラブ
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