2005年2月号

ありがとう


3月を迎え、木の芽もふくらみ、梅の花もひらいて、卒園、進級の時を間近にひかえている今です。子供たちは時間を惜しんで遊び込み、仲間と共に過ごすことを味わいつくそうとしています。
幼稚園恒例のひなまつり会までの歩みを見ていても、「こんなになごやかにやりとりができるようになって…。」と感じられる事の方が、多くなってきています。相手の考えを聞きつつ、自分の思いをなんとなく調整しながら笑顔で活動がすすむ時、この状態がずっとであったらいいのにと思ってしまうこともあります。お家の方へ見せたいねという気持ちの中には、お母さん、又はお父さんありがとうねという気持ちが見え隠れしています。感謝というものは、ただありがとうという言葉というだけではなく、そのお子さんなりの様々な表現があることを感じます。ぶっきらぼうな表現であっても、とても期待をしていたり、にこにことまなざしを注がれている顔を見て嬉しそうにしたりすることも、感謝なのだと思います。なかには、お家の方が見えなくても、前向きに取り組める力も出てきています。それは、他者の存在を喜び、他者に支えられているという姿ともいえるでしょう。
ありがとうという言葉を言わせることが目標ではなく、感謝の気持ちが心の中にはあることに気づきあいながら、過ごしていきたいと思います。 

バスのなかで


あるバスの中での出来事です。帰りの園バスの中は眠ってしまう子、友達の話に耳を傾けている子、遊びの話で盛り上がってる子、そして時々けんか・・・と子供達の元気さは変わりません。3学期の後半にもなると、にぎやかさは格別。「もう少し静かにしてね!」と声を掛ける事もしばしばあります。つい先日の事です。あるバスのT君が窓に向かって何やら不思議な行動をしていました。窓に両手を伸ばし、ベタベタッと張りつけては崩れ落ちる。それを何度もくり返していました。その動作がだんだん大きくなって、しまいには窓に向かってジャンプしたりよじ登ろうとしたり!!「危ないから座りましょう!」と声を掛けると、しばらくは座っていたのですが、体がうずうずする様でまたジャンプ!いったい何をしてるのかしら?と思いじっと見ていると「30点と30点で60点です」「あと少し届くでしょうか??」等のひとり言。ん?もしかして・・・!「ねぇ、T君。それってフレンドパークでしょ!!」と聞いてみると、にこーっ。T君はテレビ番組のフレンドパークのジャンプをイメージしていたんですね。なるほど、納得!園に戻ってから担任に聞いてみると、お部屋でも友達とフレンドパークごっこを楽しんでいるとの事。イメージの豊かさにびっくりです。よく見ていないと、つい「やめてね!」とだけ声を掛けて過ぎてしまうところでした。子供の姿から、イメージの世界をを理解してあげられた事は自分にとっても嬉しい瞬間でした。でも、もちろん危険な時はしっかり注意をしていますよ!

つくしっこクラブ
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