2006年2月号

願う


とうとう3月です。今年もやはりあっという間の1年間でした。異年齢の関係と同年齢の関係が入り交じりながら、それぞれが育ってきました。
先日は恒例の年長児による給食作りがありました。長丁場の作業に、みんなの分を用意する大変さを体で実感したことでしょう。最初はおもしろくても、やり遂げることは忍耐がいるのです。しかし、準備を終えて年少中のクラスメイトを招き入れ、腰をかがめて相手に合わせて配膳をし、「おいしい!」とのりまきをほおばる姿を見た時、疲れはどこかへいってしまったことでしょう。
また、ある日のひな祭り会の練習を終えた時、年中児の男児が、「あしたぼくみどりバッジになるんだよね!」と聞いてきました。ひな祭り会の流れを一通り皆で味わった満足感からか、もう望組とはお別れという実感が出てきて、即あしたはもういない、ぼくが望だ!とつながったようです。まだもう少し先であることを伝えると、がっかりした顔。みどりバッジになるということをどう捉えているのか、知りたい気持ちになります。大変なあこがれです。
これからの時代は、人の痛みや喜びを自分も感じようと努め続けられるかどうかにかかっています。自分に重荷があるのに、なんで人のことまでかまえるかではなく、人と生活を通して関わる中で、救われる瞬間があることを、願いが別の形でかなうことがあることを知っていけるのだと思うのです。

年長児の手作り給食


三学期の手作り給食は、卒園する園児が腕をふるって、おいしい給食を作ってくれます。今年の献立は巻きずし、清まし汁、ウィンナーソテー、果物です。巻きずしの芯になる具は、炒り卵、桜でんぶ、ツナのマヨネーズ和えときゅうりの三種類です。 炒り卵は子供達が卵の殻を割り、砂糖と塩を加えてよくかきまぜ、ホットプレートで炒り卵にし、ウィンナーソテーのウィンナーに切り目を包丁で入れ、清まし汁の具になるはんぺんを切り、ホットプレートで焼きました。保育者の話をよく聞いて、手を切ることもなく上手にできました。
いよいよ巻きずしを作ります。のりの上に酢飯をのせ、真ん中に好みの具を置いて、エイ!と巻きます。頭の中にイメージはあるのですが、現実はのりからご飯がはみでていたり、炒る卵がはちきれんばかりにぎゅうぎゅうと巻かれていたり、形や太さは様々でした。でも子供の顔は
「私が作ったのよ。なかなかいいでしょ。」と達成感でキラキラと輝いていました。三,四,五歳児の子供達もお兄ちゃん、お姉ちゃんが作ってくれた給食を、残すことなくきれいに食べました。
 家に帰ってからも、お母さんに「ぼく、ソーセージ切って焼いてあげるよ!」とか「のりまき作ろうよ!」と、言ってくれた方もいたことでしょう。そのチャンスをお見逃しなく。

つくしっこクラブ
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