2007年10月号

子供が遊びにくい時代にあって


運動会が終わると、各年齢でのお友達の距離が縮まってくるのを感じます。年長の望組で感心するのは、縄跳びやまりつきをクラスの仲間内みんなで集まり、ホールやテラスで練習しあう姿を見かけることです。もちろん保育者のアドバイスもあるのですが、跳べるようになったりと自分なりの課題を超えたときには、「すごいじゃない。」と声をかけていたりして、友達っていいなと素直に思います。かたや大人はちょっとしたことに難癖をつけてしまいがち。自然に認めるって子供同士の方が気持ちいいですね。
年長児になると、気になることもこの時期出てきます。それはマスコミ的な情報量の差の見せつけです。テレビやゲーム系の話題を話して盛り上がり、それについてこられるかどうかで、仲間関係が微妙に計られるのです。そういう場面は度々現れます。ですから、そんなことを忘れてしまえるくらい、なにかに夢中になれるといいのにと、考えます。水戸幼稚園では乾燥してくるこの時期泥団子作りが盛り上がります。乾燥している砂ぼこりの中で、しゃがんで根気強くおしゃべりしあいながら作るのですから、風邪引きが増えそうなものですが、あまり関係ないようです。いい手になるなーと子供の手を見るのが楽しみになります。手のひらでこすり、布でこすり、土と一緒になる体験って、本当にいいと思います。そういえば焼き芋をするのに庭を少し掘り起こしたのですが、土の山になっていたところにばたんと倒れてみた男の子がいました。なかなか勇気のいることです。でも彼はとても気持ちよさそうでした。お笑い系の話でちゃかして盛り上がるより、土まみれになって感触を味わいながら笑い転げる幸せの方を、今の時代は切に味わってほしいと願います。
園長 松本晴子

笹取り


先日、子供達と笹あめ作りをしました。初めは未就園児クラスのお土産用にと、作り始めたのですが、それを見た女の子達が真似をして作り出したのです。一度覚えると簡単な笹あめ。でも一度出来たからと言ってまた成功する訳ではありません。大人にしても同じで、葉っぱを折るうちに切れてしまったり、最後の茎が通らなかったり。私も子供達も「あー失敗した」と言いながら、またすぐ作り出します。もちろん出来た時は嬉しいものです。出来上がりがきれいなら尚更です。
少しして笹が足りなくなったので取りに行きました。ここでもポイントが1つ。茎を長めに取る事です。根本に向かってはがすようにとります。この感触は面白くて、子どもたちはこのポイントをすぐに覚えて上手に取り出しました。「もういいんじゃない?」と言っても「まだ、あと一個」と楽しんでいます。2日目には男の子も興味を持ってやり出しました。簡単で覚えやすいけれど、失敗も多いこのあめ作りは本当に面白いと思います。
あめが沢山出来てきました。とても素朴で古典的な感じがします。A君が「江戸時代のかごをつくってほしい」と言ってきました。昔っぽいこのあめをてんびん棒で売り歩くのだそうです。
私はこの発想に驚きながらもA君の希望のかごを作りました。
3日目は雨。せっかく大きな笹を取りに行く事になっていたのに、残念です。「今日はお休みかな」と勝手に考えていた保育者でしたが、何と、子ども達はその日はてんびん棒で納豆を売るのだとわら納豆を作り始めました。笹あめにわら納豆。子ども達につられて江戸時代の風情を思い描いた保育者でした。明日は何を売るのでしょうか・・・
小林悠子

つくしっこクラブ
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