2008年8月号

幼き日の風景


長い夏休みが終わりました。大人も幼稚園の子供達もやっと日常に戻ります。思いっきり楽しい毎日を(お祭り的なという意味ではなく)送ってきた子供達は、思いの外さっぱりと日常生活に戻ります。満足がいったからです。幼稚園での生活習慣と家庭での生活習慣があまり変わらない場合も、すんなりいきやすいです。一番大変なのは、家ではあーだこーだと表現すればわがままが通り、何かにつけてやりたいほうだい出来た場合です。ここから小さいけれど立派な社会である幼稚園環境に戻るのは、つらいですよね。実は子供同士の社会はなかなかシビアなんです。
そのような中、水戸幼稚園では自然が子供達の関係を柔らかくしてくれます。多分お休み中も経験していることでしょう。子供も大人も戸外にいると開放感にあふれ、自分を縛っている枠が緩くなり、自分も自分の周りにある風景にもちょっと優しくなっているって。
幼稚園のお泊まりキャンプ後の子供の変化は目に見えるもの、見えないものを含めて大きなものがあります。それはなぜなのでしょう。もしかしたら普段とは違う異世界にちょっと踏み込めるからかもしれません。現代の子供達はふっと立ち返れる自然事象を含んだなつかしい風景を持てる割合が昔より少ないと感じます。映像メディアが普及して強いからです。
そんな中で育っている子供達が、自分を精一杯出して生活し、そんな自分が自然界の中で受け容れられていると体感することは、すごく嬉しいことなのだと思います。昼寝をしながら、柔らかい夏の木陰の風を感じ、遠くで風鈴がなっているとか、蝉のうるさいほどの声を聞くとか、近所の怒られている子供の泣き声を聞くとか、こんなささいなことでいいんです。
ちょっとした異世界をさまようことができた夏であったことを、心から願っています。
園長  松本 晴子

何がばねになるのでしょう


子供達を迎えるのに当たって、園庭の草取りをしました。梅の木、スイカやゴウヤを覆ってしまわんばかりの勢いで生い茂ったアサガオの根っこはショウガのような立派なものでした。このこぼれ種は幸運(私に抜かれてしまうまでは!?)でした。たまたま肥沃な土地にこぼれたというだけで、大人の顔ほどある葉を付けぐんぐん蔓を伸ばしていったのです。
さて、今年の夏は「オリンピック」です。アテネの時よりもテレビを見ました。中でも女子のプロレスとソフトボールに夢中になりました。

【1】吉田 敗戦から二連覇勝利へ
連勝が阻まれた1月。初めて負けた。かなり落ち込んだはずです。普通なら自信を無くします。それなのに一本足タックルを自分のものにして、8月のオリンピックに臨めるなんて…。どこからそんな前向きな思いや力が湧いてくるのでしょう。そして、金メダルを獲得し、実に晴れ晴れとした笑顔を見せてくれました。

【2】アテネをバネに UENOよく投げた!!
準決勝の攻防には目を見張る物がありました。見ている方の心が挫けてしまいそうになってきても、UENOは挫けない。ピンチを切り抜けるのです。決勝について、「3度目の正直ともいうし、期待している。」と街の人は簡単に言っていましたが、それを実現したのは勝つという「強い思い」でした。指先の皮がむけていても投げることができるなんて…。

「環境」を考える場合、肥えた育ちやすい環境だけを考えがちですが、うまくいかないことや失敗に出会いながら、そこから学び、人は力を付け強くなっていくのですね。特にこの二人の姿は印象的でした。NHKの「土曜親時間」ではありませんが、彼らを育てた人たちに会ってお話しを伺いたくなりました。
深谷 幸代

つくしっこクラブ
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