2015年7月号

平和をつくりだす者は


最近、変に感動したことがあります。それはニュースになっていた【安保法案に反対する学者の会】の賛同学者が1万人を越えていたことでした。今も増えているのでしょうが、中を開けてみると何といろんな学問の府があり、そこで考え研究し、教えている学者個人個人がいることでしょう。そしてそれぞれが自分の意思で日本のことを考え、行動を起こしているということでした。もちろん国会や首相官邸前のデモには、もっと多くの個人が自らの意思で参加していることは、映像で見てきました。名も知らない一人一人です。それでも政治家は、割合あっさりと審議をすすめてしまうのです。そんな中、国立競技場の建設計画には、アスリートと呼ばれる方達が自らの名前を公にして物を申し、安保法案の採決のやり方には、学者達が物を申す、と立ち上がりました。普段はたぶん繋がり合えなかった、多様な領域での個性的な専門家達のはずです。それが日本の現状を鑑みて繋がり合いだしたのです。日本はまだまだ見捨てられないのかもしれないと、思ったひとときでした。
こんな形で繋がり合う個人たちが、名前や立ち位置を出しながらもっと考えようよと増えていくことは、今の子どもたちの社会を考えていく上で、とても重要なことだと思うのです。経済の上向きということをお題目にして他のことをカモフラージュしながら進めていく社会の姿は気張っていて、ありのままでいることはみっともないことと教えているような気がしてならないのです。しかし実際の子どもの豊かなそして貴重な時間は、庭の片隅でみつけた羽化したコガネムシが、子どもの小さな手から羽を羽ばたかせて飛び立ち、そのあとを小さな点になるまで見送り、はぁーとため息をついて、さあ何して遊ぼうかと現実に戻っていく、そんな瞬間に見えます。そう、『センス・オブ・ワンダー』ですね。物事の本質を捉えていく力は、こちらの側(基準にとらわれない感性)にあるように思えてしまいます。レイチェル・カーソンのこの遺作が出版されて、今年で50年とのこと。兵士は戦場で花を見つめないとは限りません。花を通して家族のことを思い、子どもの頃の豊かな時間をたぐり寄せるのです。そして自分で考えることを取り戻すかもしれません。この夏、どんな平和を知りたいと思いますか?日本はどこへいくべきでしょうか?考える夏です。

新人の悩み事


夏休みがやってきます。子どもたちはわーい!!では、お疲れモードの保育者の夏休みはどんなものでしょうか。普段と違うリフレッシュを味わってもらいたいものです。それが血となり肉となるはずです。でも新人の夏休みは、まだ緊張の波音が聞こえます。
A:「ねーどっか行こうよ~。あそこは?ここもいいね?」
B:「私その日仕事」C:「私、研修だった」D:「え、もうそんなに貯まったの?」
A:「もういい、私ひとりで行くから!」
なにかと苦労をかけます…。


園長  松本 晴子

つくしっこクラブ
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