2017年7月号

カミングアウト


望組の5歳児のメンバーが、全員参加でお泊まりキャンプに出かけることができました。行かせてあげようと思って、準備し送り出してくださった保護者の方に、心からの感謝です。6月からそわそわし出したメンバーも多く、楽しみだけれど、夜寝るときが難儀だな~と心密かに思っている子どもたちだったのかもしれません。
ある活動の前の待ち時間のこと。そのグループにちょっとおしゃべりしに立ち寄った私。
「キャンプに行ってみんなテントで寝られるのかな?」と投げかけをしてみたのです。
まずGくんが、「寝られないよ。だっていつもママの髪をさわって寝ているんだから。」
それをきいてAちゃんも、「あたしはママとパパのあいだに寝てるし。」
Uくんは「ぼくはあれ。星組の時もっていたぬいぐるみとタオル。あれがないとね。」
思いもかけぬカミングアウトに、「私も大人になるまでパンダの“りきくん”と寝ていたんだよね~。」と話してみました。そして、「持って行けばいいじゃない。リュックに入るかな?」云々。
「え、持って行っていいの?」
「もちろん、寝られた方がいいもん。」

母にしか言えなかったことを、正直に話してみた。そしたらGくんもAちゃんもBくんも、寝られないと言っている。それぞれがなんか方策を考えればいいんだと、心を弾ませて帰ったようでした。お母さんに「持って行っていいって、園長先生が言ってたよ!」と話した方もいたようです。

キャンプの日は、それぞれ暗くなれば家庭の灯が恋しく、それでもテントで皆とバタンキューで眠ってしまいました。

普段の保育が戻ってきて、幼稚園で朝から熱い日差しの中、植物に水やりをしていると、「先生、手伝うよ!」と大人用のブリキのバケツを私の手からもらいうけ、何度も何度も往復して花や野菜に水をあげてくれたのは、Uくんでした。なんでそんなに熱心に手伝ってくれるの。この清々しさはなに?その晩車を運転して帰宅途中、はっとしました。そっか~。信頼してくれてありがとう。

園長  松本 晴子

つくしっこクラブ
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