一幅の絵
春の親子遠足の時に
毎年どうしようもなく心震える絵がある。
年長者が年下の方と手を繋ぎ、
沢渡川の小径を歩いて行くと、
林があって、
木々が上から包んでくれている。
径の両側には、野の花が咲き、へびいちごが赤い実をつけ、
空にはひばりのさえずりがちりちりしていて、
土手の上を特急が、ほほをピンクに染めて通り抜けていく。
足腰はおぼつかないかもしれない。
手を繋ぎたくない方もいるかもしれない。
それでも、こんな幸せな光景はめったにないと思う。
行く先には、たまらなく愛おしい母がいるのだし。。。