日中でも光が横から差すようになって、長く伸びた木々の影が晩秋の陰影を感じさせてくれます。そんな中で遊んだ日々がひとりひとりに確かにありました。鬼ごっこをしたり、だるまさんがころんだをしたり、長縄をしたり。。。でもそんなことは一人一人の意識からはあっという間に消えていき、その学年の夢中になることに取って代わられていきます。学校に通うようになればなおさらでしょう。それでも心身のどこかに記憶はとどめられ、その方を居心地よくさせたり、自律神経を整えたりしてくれているのでは?!と思います。
先日40数年ぶりに北鎌倉の駅に降り立ちました。父親の仕事の関係で茨城県に越してから、訪れたことがありませんでした。北鎌倉の二つ手前の駅のある町に暮らしていた私は、外出といえば北鎌倉から鎌倉へ向かって歩くことが定番お出かけだった父親たちの好みに、ひたすら付き合っていたのだと思うのですが、秋の空気の中、自分の心身が歴史をまとっている鎌倉の空気でできていると、へんに納得した時間でした。そしてもう一つ音の記憶が忽然と蘇りました。鎌倉含め故郷は横須賀にも近いので、米軍や自衛隊のヘリや飛行機がよく飛んでいたのです。その「ブルブルブルブルブルブル」という音をよく聞いていた子ども時代をも思い出したのです。うるさいのですよ!とても。基地のある暮らしだったんだと、子ども時代はその音の意味がわかっていなかったのですが、いまやっとわかったのです!
幼いころに刻まれるものが穏やかな彩りや音や感触でありますように、やはり願ってしまいますね~ 松本晴子