虫探しに熱心だった子どもたちが、頭を寄せて集まっています。通りかかると「先生紫色だよ!」と声がかかりました。のぞいた先には初めて見る生きものが。紫色のダンゴムシです。本当に美しい。写真がぶれてしまって本当に残念なのですが。。。世の中にはいろいろなものが現れるものですね。結局そのむらさきくんは、逃がしたと言っていましたが、あとでネットで調べてみたら、驚きました。イリドウイルスというものに感染したダンゴムシということです。細胞に住み着いて色素を変え、目立たせて、おまけに暗闇から明るいところを好むようにさせて、鳥などに捕食させてウイルスを拡散させているのではないかと、書いてあるものがありました。あのむらさきくんはむくどりにでも捕食されてしまったでしょうか!!
あじさいの葉っぱのことも梅雨に入る頃、ニュースになっていました。あじさいの葉には食すると毒性のものがあるらしい。これもまだ研究中の所見とのこと。さて、かたつむりがあじさいの葉っぱに乗っている写真が、保育絵本と呼ばれるような総合ブックでは定番です。しかしかたつむりが食べるものは、朽ちた木や枯れ葉、植物の茎。殻を作るためのカルシウムとして、コンクリートや卵の殻。あじさいの葉っぱは食べないとのこと。確かにあじさいを入れておいても、穴が空いたり、端がぎざぎざになったのは、見たことがありませんでした。クローバーとかは食べるそうです!
私を含めて、思い込んで生活していることは一杯あって、特に大人はさも当たり前のように、教えてしまうことがあるものです。でも本当にそうなのかは、確かめてみないとわからないものなのでした。子どもたちがあーだこーだと言いながらやっていることは、この原初的好奇心を満たしたいという、生まれついてのシステムなのだそうです。もし「なにやってるの、やめなさい!」と無意識に言い続けていたならば、好奇心はつぶれ、「別にどうでもいいし。」となっていくしかないのです。知性を育みたいならば、肯定的に「そんなにおもしろいんだ。。。」と一回立ち止まって眺めてみてください。いくつになっても、知ることは知りたいと思ったときからスタートすればいいと、茂木健一郎さんが言っています。うれしい言葉です。
園長 松本晴子