2学期も後半に近づくと、園生活にも慣れてクリスマスまでの日々を子どもたちと愉しみます。子どもたちはちょっとした変化に気づく方が多くて、玄関先のクリスマスツリーを眺めて、「ようちえんはカスタマイズされたね!」とのつぶやきがあったとか。あちこちのクラスをのぞいては、あれはなんだろう?プレゼントの箱が飾ってあるけど、中身は何かな?これ超きれい!先生は覗いちゃダメ! 等々、子どもたちの心の中の動きがことばとなって、現れます。保育者たちはそれらを耳にして、にこにこしています。
クリスマス会で一緒に楽しむ劇の準備も、子どもたちのあそびのように進みます。先ほどは職員室に、白いおばけ集団が、なだれ込んできて、中にいたスタッフを驚かしていきました。迫力。。。
一方、それぞれの役決めでは、本心がわからない3歳児のBくんが、毎回違うものを表明してくれたり、4歳児のCちゃんはDちゃんと一緒なら何でもよいと、くっついてまわったりしています。5歳児のGくんは、セリフの量を見比べて、自分のハートに見合った役を射止めました。それぞれ毎日個別の物語が、お子さんにはあるのですね。
きっとご家庭ではまた私たちの知らない物語がいっぱいあって、ときどきぽつりとその端切れを垣間見ることがあります。大好きな存在のことは、すべて知っていたいという恋愛状態の時も、人生にはたまにありますが、やはりそういうことは息苦しく、知らないでいる部分があるからこそ、自分の精神も保たるというものです。ただ、見えていない部分も信頼してくれると、子どもはうれしいと思うのです。みんなと行動を共にできないときでも、悪口に溢れている時でも、心と身体は一生懸命自分が生き延びられるようにと、適応しようとしているのだと思います。人の気持ちをわかることは、思いやりに溢れることかもしれませんが、大人には至難のことなんだな。。。とこの頃つくづく思います。人の気持ちはもともと想像するしかなくて、わからないんだなって。。。そう思います。
園長 松本晴子