この地上に生まれてきてから数年しかたっていない、若々しい生命が幼稚園にはあふれています。園に入って出逢う仲間がいます。10月の運動会が過ぎたあたりから、クラスの仲間の密度が高くなっていくのを毎年感じます。誰もが私であるというらしさを持っていて、きらりきらりと輝く時(とき)があるんです。まるで紅葉する山肌のようです。一つとして同じ色合いはないから美しい。もちろん話を聞き逃したり、前の状況がわからないでの勘違いがあったり、大好きすぎてしつこくなったり、相手とひりひりする事態もあります。そういうことも皆大事な宝物になることを感じます。
自分用に取っておいた机の上の製作の材料が、トイレに行って戻ってみたらなくなっています。周りを見ればBくんが使っているではないですか。Aくんは眉間にしわを作っています。その表情を目にした保育者は、丁度同じ材料をまだせっせと準備していたので、何気になく「ここに同じようなものがあるよ〜」と声をかけると、Aくんは取りに来て、「よかった、人のせいにするところだったよ。」と自分の心のうちを正直に呟く姿。
子どもたちは本当に豊かに学んでいる(脳をしっかり使っている!)その傍にいられることは、とても幸せなことです。