1999年6月号

砂.suna.すな


 日ざしのまぶしい季節となりました。子供たちは水が恋しくなって、裸足で砂場にとんでいきます。(中には靴のままびしょびしょになるお子さんもいますが、靴箱に脱いでから裸足になることをその都度伝えているところです。)折りしも福音館書店のかがくのとも.7月号で『なぞなぞすなあそび』という本が届いており、砂遊びが大好きだった作者の思い入れが伝わってくる作品です。子供一人がやりはじめた穴堀でも、「僕もいれて!」「私もやりたい。」と仲間がすぐ増えていきます。晴天でさらさらの砂の日には水がどんどん注ぎこまれ、しっとりとした感触の山や水路になります。今はじょうろやホースの先を砂の中に埋めて、砂中から水がぼこぼこと沸きあがる遊びに熱中している子供たちの姿が興味深いですね。「マグマの爆発だ!」なんて叫んでいる男の子も!!
 遊んだ後の大勢の着替えは本当に戦争のようですし、ご家庭でも洗濯が大変でしょうけれども、砂場で学ぶことはとても多いように感じます。土や砂は汚いものではありません。それを汚れるからと止めてしまうのは、大人がやる仕事がふえてしまうため…。それに美しかった砂浜や国土を汚しているのは、私たち大人なのですよね…。そういうことをちょっと思い出してみてほしいと思います。

パンジーさんのまなざし


 今回は預かり保育について書いてみたいと思います。私達の園では預かり保育を<すみれくらぶ>と呼び、子供達は登園すると保育者にすみれ色のバッチをつけてもらいます。降園時にもすみれくらぶの旗の所に並び、その後保育室や園庭で遊んでお母さんが来るのを待ちます。最初のうちは早い時間に帰る友達を見て寂しくなってしまうのでは……? そんな心配もしました。ところが実際の子供達はその逆。「僕、今日、すみれ!」と胸を張って、ずっと幼稚園で遊べる事を楽しみにしているのです。園庭にシートを敷いてお弁当を食べたり、おやつを作ったり。材料だって自分たちで買いに行きます。いつの間にかお店のおもちゃを手にしている事もありますが……。遊びに関しても、いつもは順番を守ってなかなか使えない幼稚園の遊具も、少人数なら思いっきり使えます。大きなしゃぼん玉を作る事もあります。皆で裸足になり、どろどろ水遊びをする事もあります。新聞を部屋中に広げてぐしゃぐしゃにしたり、知的に工作をする事もあります。すみれくらぶの活動は、その日集まった子供達の顔ぶれ、人数、担当保育者によって違ったものになります。子供達もその楽しさを知っていて、友達と一緒に申し込んでは『本人希望』なんて書いてあったりするのでしょう。子供にとって遊びは一番。いつも楽しさを求めています。沢山遊んでいってね。
(保育者1年生の目から見た幼稚園でのひとこまです!)

つくしっこクラブ
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