2010年4月号

安心していくのもゆっくりでいい


お母さんとの別れと再会のドラマが、毎日繰り広げられる4月です。先が見えない不安に泣きじゃくるお子さん同様、お母様も一人目のお子さんの入園は、居ても立ってもいられないのだと感じます。お母様ならかゆいところに手が届いて、助け船をすぐ出せるところを、ちょっと幼稚園では違うみたいと感じ出す面々。この一ヶ月、あの手この手で、この大人はどう対応してくるかを試しているのも、感じます。保育者との大事な決めごとは、泣き叫んでも、かみついても通らないということを、満3歳児さんや、3歳児のお子さんには示さなければなりません。一方切り替えようとしたり、やってみようと心が動いたら、たっぷり誉めます。そんなこんなで、4月はあっという間に過ぎていってしまいました。
3歳児クラスの星組が、集まっての活動。あら最初はみんな椅子に座れました。こいのぼりの歌を歌ったり、聴いたりする顔は、ちょっと一人前風です。幼稚園に入ったんだよ!という誇らしさが、幼くてもあるようです。そこへ大きな鯉のぼりが床を這って入ってきました。そこからは本来の好奇心一杯の顔つきで、体がそちらへ勝手に動いていきます。こわーいと思うお子さんは、ひきつった体になります。そんな自分らしさを出してくれたら、まずその姿をそのまま受け容れてみます。見るだけでも、笑い声や泣き声を聞いたりするだけでも、立派な体験なのですから。
少しずつ安心していけるようにと、一学期はながめてまいりましょう。
園長  松本 晴子

春の散歩道


新しいグループになって初めてお散歩に行きました。グループのお友達の顔と名前が少しずつわかってきたこの頃。望組は年下のお友達と手をつないでお世話役も担任の先生から任されました。春の日差しの中、自然に囲まれた道を歩きます。気持ち良い空気や自然は子供たちの言葉をたくさん引き出してくれます。堅い表情で過ごしがちだったのに「こんなに話せるんだ!」と何人ものお子さんに驚かされました。
小さな池に着きました。オタマジャクシがいっぱいです。A君が葉っぱにオタマジャクシを乗せて嬉しそうに見せてくれました。「どれどれ?」「見せて!」と早速真似をして採り始めた子供達。固くて大きな葉っぱを使います。葉っぱで採るなんて、なんて面白い!自然には面白さが一杯隠れていますが、こうやって友達から知恵をもらいあって楽しむのは最高です。オタマジャクシは水から出されてちょっぴり苦しかったかもしれませんが、少し見たら池に戻してあげることも一つの経験です。
帰り道では道にテントウムシを発見。子供達は頭をつき合わせて見守っていましたが、年少のB君が手でつかもうとすると「可愛そうでしょ」「やらないで」と言う望組。B君はちょっとびっくりしていましたが、こうやって教わることはとても多いのです。そして、子供たち同士で教え合うことがとても大事であり、子供の気持ちにもしっくりくるもののようです。
この他にも、年下の友達を支えようとする嬉しい場面がいっぱいありました。でもこの姿が見られるのは、「大きくなった喜び」だけではなく、望組の子供たちの気持ちが満たされていたからだと思うのです。何に満たされていたのでしょう・・・
小林悠子

つくしっこクラブ
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