個別最適化

7月になってプールが始まるからと買っておいたビーチボール。さて膨らますのにと、よく見るところの黄色い蛇腹に青いホースのついた手押しポンプを倉庫の中で探したのですが、見つかりません。以前に壊れて処分したのかもしれません。私は昔から膨らます行為が苦手でした。まず、風船が膨らませられない。息を流し込むのに、ゴムの力に負けて全然空気が入っていかないのです。あの最初の一息ができない。案の定、ビーチボールもうんともすんともいかなかった。そこでネットで膨らませ方を検索していたら、職員で、もと吹奏楽部員だったAさんが、やってみますか?と手に取って、ものの2分もかからずに膨らませてしまったのです。びっくりするとともに感謝感謝でした。

 

その時感じたのが、人間ってひとりひとりにきっとものすごーい能力が宿っていて、それが「好き」だったり、好きだから練習を重ねたりすることによって、こんなこともできるんだという身体性を発揮するんだろうな~ということでした。私は小さいころから、物の扱いが苦手で、なんとなくやるということができなくて、家庭科も技術も教科書を読んでも意味不明で気落ちしました。ハサミの扱いも、風船を膨らませることも同様です。だから運転免許を取るのもそれは大変でした。だいたい前を見ながら走っているときに脇のミラーを見ることができない。こういう不器用さと苦労から、この仕事をやっていく中で、具体的にポイントを伝えてひとつひとつステップアップをすることで、やり方のコツをつかめるようにと考えるようになりました。お箸の持ち方を示す。ハサミの動かし方を示す等、苦手な方にポイントを伝えるようになりました。教習所でもたまーにかゆいところに手が届くかのように、説明がうまい先生がいて、思わず拝みたくなるような気持になったものです。教育の世界では『個別最適化』という理想が語られます。本当に手に入れたいものの一つです。個々がまったく異なる存在という前提に慣れられるのは、いつくるのでしょう。慣れるのに時間がかかる私はいつもそう思います。松本晴子

つくしっこクラブ
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