1999年5月号

絵本の好きな子どもたち


幼稚園の創立50周年を記念して、園舎の2階の片隅に小さな絵本のコーナーが出来て、2年がたちました。若草色の本箱に色とりどりの絵本が並び、子供たちが見てはテーブルに置かれたままになったり、本箱にひっくり返って置いてあったりしています。今年はポプラ社の『機関車トーマス』のシリーズを卒園寄付で購入し、男の子達のお気に入りの絵本になりました。筆者が子供の頃にすでに図書館にあった昔ながらの作品で、文章も長いのに、「読んで!」と持って来る子供は、よーく聞いています。そして「また読んでね!」と同じ本を次の日も抱えてくるのです。
 また、クラスで保育者に読んでもらった絵本はしばらくお部屋においてあるのですが、食後や自由なあそびの中で、何度も絵を見たり、おかしかったところで笑ったりしています。そばにいる人間も幸せなひとときに預かっている感じさえします。
 たかが絵本なんていえません。もちろん素晴らしい作品の力なのですが、大人の鑑賞にも耐え、読み手にとって思い入れのある絵本を読んであげると、子供たちはすぐに絵本の世界に入っていきます。そして主人公に同調し、冒険をしてまた帰ってくるのです。テレビのように受け身の世界ではなく、読み手(お母さんやお父さんが一番)との心の交流があるのも、絵本の世界と言えましょうか。そして必ずやその人間の心を支えるものとなっていきます。なぜって、楽しく心を動かす日々を味わってきているのですから…。

パンジーさんのまなざし


もうすぐ6月。雨が降ったり止んだり、外で思いっきり体を動かしたい子供達には、ちょっぴり気の毒な季節です。けれど、そんな日には、園庭の木の葉の上に、子供達の大好きな虫「かたつむり」が登場して、興味を引きつけてくれます。子供達は誰が大きいかたつむりを捕まえられるか競争したり、、それぞれのカツプに葉と一緒に入れて大切に育てています。5歳のKちゃんもそんな1人。ある雨上がりの午後に素敵な事を思いついたのです。「せんせい、見てみて」の元気な声に振り向くと「ブレスレットができちゃった」と嬉しそうに言いました。よく見てみると、両腕に1ぴきづつかたつむりを乗せてブレスレットに見立てたようです。生きたアクセサリーに一瞬驚いたものの、雨の日ならではのKちゃんのユニークな発想がとても羨ましくなりました。かたつむりの粘着感、姿形のおもしろさがKちゃんにそんなイメージをさせたのでしょうか?。生き物への最初の興味はこの様に見たり、触ったりすることから始まるのかも知れない……。そんな事を感じました。幼稚園にはこの他にも、幼虫やかまきりの子供、かえるになる直前のおたまじゃくし等、色々な生き物がいます。この生き物たちが成長するにつれて、子供達も目を輝かせ沢山の言葉を聞かせてくれると思います。小さな呟きや発見に耳を傾け楽しみながら梅雨の時期を過ごしていきたいと思います。 
(保育者1年生の目から見た幼稚園でのひとこまです!)