1999年4月号

すみれくらぶの子ども達


 今年度から水戸幼稚園でも預かり保育が始まりました。利用者がいらしゃるかどうか、子供が嫌がらないかどうか、と不安もありましたが、どうにか舟を漕ぎ出した所です。毎日4、5名の利用が続いています。
「えーこれだけ!」という子供の声。それでも天気の良い日は園庭にシートをひろげお弁当を食べ、のんびりとブーメランを作ったり、ありを追いかけてみたりと家庭の延長の様な雰囲気を結構楽しんでいるようです。それにもましてはっと思ったのは、すみれくらぶでは保育者との個人的なふれあいが多いので、子供との信頼関係がより深まり、『あなたとわたし』という嬉しいつながりになるということです。これはなんとも素敵な収穫でした。これから1年間普段の保育ではちょっと味わえない体験を子供一人ひとりと味わいつつ、お母様方の余裕を生み出すお手伝いが出来たらと願っています。そしてその余裕をご自分の為、更に家族の為に使ってほしいと思っています。

パンジーさんのまなざし


 保育者になって約1ヵ月。少しずつ子供達を覚えてきたある日のエピソードです。朝、私の所に5歳の男の子がゼリーのカップを片手にやってくると、「だんご虫がいなくなっちゃった…。」と一言。話しを聞いてみると、通園バスの中にもってきただんご虫を外へ逃がしてやろうと、カップに入れてきたはずなのに、いつの間にかいなくなってしまったとのこと。そして、「逃がしてあげられなかった。」と言って、目から涙がこぼれてきました。「だんご虫は自分で逃げて元気にしているから大丈夫…。」となぐさめたつもりでしたが、その日のK君は少し落込みぎみでした。いつも元気な、ひょっとしたら年下の男の子を引き連れてしまいそうなK君の優しさが見えた出来事でした。子供の心の成長はこの様にちょっとした時に見えるのかなと思いました。日々育っていくその小さな光を、これからもたくさん見つけていきたいと思います。
(保育者1年生の目から見た幼稚園でのひとこまです!)

つくしっこクラブ
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