2000年11月号

先日、給食室から火災が発生という想定で避難訓練をしました。年に1回の訓練ではありますが、非常事態が発生した時のためにも、おろそかにはできません。子供達はカラー帽子を被り、ハンカチを口にあてて、保育者の説明を聞き、用意万端待機しています。ですから、逃げるのは非常にスムーズで、泣いてしまった子どもは1人くらいでした。なんと、どぎまぎしてしまったのは私の方で、119番通報の練習でも、園の電話番号を伝えるのを忘れてしまったり(向こうの方も電話番号は何番ですか?と尋ねないもので)、本当にどきどきでした。
 ここ数年の間に、阪神大震災や普賢岳の噴火、三宅島の地震活動による避難、島根県近隣の大きな地震、その他いくつもの災害が目立ち、自分達とは無関係な出来事ではないことがわかってきました。そして当たり前に与えられているものではない平和や治安のよさを思います。幼稚園に与えられている子供達の命は、お父様、お母様の何にも替えられないという深い愛情に支えられているものです。その命を守り、危機管理の能力をいざという時に発揮できなければ、訓練も形だけとなってしまいます。消防士の方が、「これは子供のための訓練というより、大人がいざというときに動けるようにするための訓練なのですよ。」と事前に教えてくれましたが、災害と向い合っている方の言葉だと重く受け止めた次第です。
 『どうぞ御心ならば、平和が私達だけではなく、世界中に与えられますように…。』

「もう、食べられない」給食でこの言葉を何度も聞かされます。なんとも心が痛むひとことです。食べられないものを無理に口に運ぶなんて事は出来ないので、「もうちょっと」「あとこれだけでも頑張ってたべてみない?」あれこれと言葉を変えて促してはみるものの、なかなか進まないのが現状です。栄養士の先生も子供達の残飯を見るとため息が出てしまうようです。先日のメニューはおでん(はんぺん・蒟蒻・竹輪・大根・卵)でした。この時も全く手をつけられない子がいたのです。さらに別の日、白い御飯を「かたくて、つめたい」と言い食べないのです。驚いてしまいました。子供に「好き嫌いをしない!!」と食べる事に圧力をかけてはせっかくの料理も楽しくいただけません。大人でも好き嫌いがあるので、子供にもあるのは仕方ありませんね。でも給食の様子を見てみると食品その物がいや、というよりも調理の仕方・味付け・硬さによって子供達も食べたり、食べなかったりしています。裕福な時代になっているのでしょうか、難しい問題です。世界中には飢えで苦しんでいる人々がいる事を思えば、どんな味でも硬さでも料理として出されたものは食べる、食べ物を粗末にしない気持ちをもっともっと理解して欲しいなぁと思います。

つくしっこクラブ
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