2000年4月号

男らしさ、女らしさ


 新年度が始まりました。くつを脱ぐこと、かばんをフックに掛けることにも慣れない新入児達。それでも、お母さんから離れて過ごせるのですから、たいしたものです。
 そんなある日、ぺらぺらとめくっていた保育雑誌に、ジェンダーフリーという言葉が載っていて、なんのことかな…と読んでしまいました。(本当に勉強不足です。)ジェンダーとは固定的に作られた男女の性の区別とのこと。子供の頃から男と女を区別して枠にはめ、子供の本来持っている可能性を狭めてしまうことを避けたいという願いからジェンダーフリー教育の取り組みが始まっているという記事でした。そういえば保育の一こまにもと思い起してみました。
 ままごと遊びの好きなJ君。毎日お皿におもちゃの食材を入れてふるまってくれます。が、大人の側には〈男の子なのにおままごとが大好きなのよね。〉という思いがひそんでいます。また毎年恒例のこいのぼりくぐりでは、黒と朱のこいのぼりを並べてくぐります。あるグループでは「どちらでも好きな方から並んでくぐってみましょう。」という声かけで、男の子も朱色の方にちゃんと並んでやっていました。でも無意識に「男の子は黒の方、女の子は赤い方に…」と保育者が言ってしまえば、それは植え付けられた意識になっていってしまうのでしょうね。
 園では製作の材料を選ぶのも個人の選択を尊重していますし、並ぶ順も男の子が前というわけではありません。一人ひとりを大事にしたいという思いからです。でも、自分に潜んでいるジェンダーの意識を考えさせられました。

あじさいさんの幼子発見


 新年度を迎え、本当は春休み中にしておこうかと思った掃除場所を今(4月末)した時のひとこま。
 園庭の水道って、砂のついた手を洗ったりとにかく砂や泥が多く流れてしまいます。下水の蓋を開けると水道管の上まで砂でいっぱいで「これじゃ水の流れが悪くなる!!」と半分あきれながらシャベルを片手に砂を取り始めました。私が園庭でしゃがんでいると「何してるの?」と女の子が見に来ました。「砂が沢山流れちゃって、取っておかないとつまっちゃうんだ!」と話している間に続々と「なにしてるの?」と子供達が近寄って来ました。そして下水に何が入っているんだろうと覗き込んだ男の子は「うわぁ~うんちくさ~い!」「どれどれ?」「うわっ!ほんと。うんちくさ~い」なんだかとってもおかしくなってしまいました。子供って臭い匂いや、嫌な匂いのものはみんな『うんちのにおい』になってしまうんだなぁ~って。
保:「こういう匂いってドブの匂いと同じだね」
子:「ドブ?」 疑問符がついてしまいました。望組のMちゃんに
保:「ほら、Mちゃんのお家の裏とかにドブあるでしょ、見た事なぁい?」
子:「ドブ?うち、マンションだもん。わかんない」
保:「(あっ、マンションか…。私もマンションのマンホールは開けた事ないし…)」
 そうです!今は住宅事情も昔とは変り、自宅の裏でドブさらいをするお宅は少ない(ない!?)のかもしれませんね。私の小さい頃はよく手伝ったものですが。決してきれいな言葉ではないけれど『ドブさらい』という言葉も時代と共に消えつつあるのでしょうかね。

つくしっこクラブ
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