2002年10月号

朝倉人気?


幼稚園の4歳男児は、ある意味でギャングエイジなんです。園庭では、ある時はテレビで放映中の忍風戦隊ハリケンジャーになったり、仮面ライダー龍騎の面々になったりと、俗に言う戦いごっこが繰り広げられています。女性の立場からいうと、なぜこんな遊びをするのかと理解に苦しむのですが、女の子がはむたろうの仲間達になりきるのとたいして違いはないようにも見えます。
戦いごっこは、悪になる子供はいなくて、ある意味では皆正義なんです。正義と正義がバトルしているという感覚で、ポケモンバトルに似ています。もちろん少しでも相手より強く、かっこよくありたいですから、パンチやキックが決まってしまって、トラブルになることはしばしば…。それでも救いなのは、1学期よりは2学期の方がやりとりがうまくなってきているように見えることでしょうか。ただ気になることがありました。仮面ライダー龍騎には、たくさん仮面ライダーが出てきて、皆立場が違います。誰が好きなの?と聞くと、「朝倉!」という声、声。「えー、朝倉って怖いよね。」と言うと、「強いもん。」との返答。男児に人気なのは、朝倉という戦いを生き甲斐にしたようなライダーなのです。心の非情さ、残忍さに気がつかず、単に強さに惹かれてあこがれている子供達。大人をターゲットに作られてきている最近の子供番組の問題点を、突きつけられた感があります。
心配しているお母さん!戦いごっこは小学生になったらやらなくなっていきます。戦いごっこを毛嫌いするのではなく、戦いごっこの中身を吟味してあげてください。子供達は刺激の強さにはまってしまいますから。はあー…ですね。

空き箱製作から


保育室から「先生、ちょっと来て、ここ切ってくれない?」と年中児のA君が呼んでいました。近づいてみると、空き箱(お菓子の箱、トイレットペーパーの芯等々)を使って何かを作っています。「どこを切るの?」「ここ、硬くて切れないんだよ」と。見るとちょうど紙と紙が重なっている厚いところが切れないようでした。「カメラを作っているんだ、ここから丁度覗けるようになっているんだよ」と自慢気なA君。「すごいね、見せて見せて」と友達も集まり、カメラを触ろうとしたとき、レンズの部分のトイレットペーパーが取れてしまいました。「壊れちゃったよ、セロハンテープで留めなくちゃ」とテープを切るA君。片手には、カメラを持っているので、うまく切れません。とったテープは、手にくっつき、ぐじゃぐじゃになってしまいました。とっさに私は、セロハンテープを切り、A君に渡そうとしたのですが、A君は、ぐじゃぐじゃになったテープを直しています。ちょっと曲がってしまったテープを貼り「出来た」と笑顔のA君。よく見ればカメラに付いているテープのほとんどは、決して見た目きれいとは言えない貼り方でした。でも、これは、A君の一生懸命の証。私はといえば、先回りはするし、物は大切にしてないし、テープ一枚のことで反省させられた時でした。

つくしっこクラブ
友だち追加