大きな木
晴れ女だったかもしれない私が、雨女に変わったかもしれない2学期。遠足は2回も延期になりました。行ってしまえばよかったかもしれない…という振り返りはありましたが、こじんまりと園バスに乗って出発間際に小雨がぱらつく中を出かけるのも趣がありました。子供達は内心不安だったのでしょうか?大人のように?いえいえ子どもは今を生きている存在。雨がひどくなったら帰るようかな、園長はどこで言い出すのだろうとはらはらしていたのは、大人達だけでした。
きのこ博士館という施設の中を探索し、出てきたら雨はあがっていました。でも植物園の芝生にシートを広げたところで、また雨がぱらぱらと降ってきたのです。必然性って説得力がありますね。「濡れないように木の下に引っ越しましょう。」という声かけに、皆、まあしょうがないかという風情で引っ越していきます。もちろん保育者が落ち着くように、友達とくっつくようにと動き回っていきましたが。
大樹の下で安心して(ありがシートの上に来るとかはありましたが)ひと休みできたのは、とてもいい経験だったようです。丁度各クラスに『木はいいなあ』(偕成社)という絵本を読み聞かせにまわっているのですが、木が一本あるだけで色々な営みや恵みがあることを改めて感じさせていただきました。仲間や保育者とのおやつのやりとりや、みつけた実や虫、小さな草花を話題にしてのやりとりも、1学期と違って笑みが一杯にこぼれます。不自由があるのが普通の生活で、その中でやりくりすることになじんできていることを感じます。夏休みの体験を抜けて、ひとまわり心が成長した子供達を頼もしくながめた初秋の遠足でした。
園長 松本 晴子
夏の終わりのご報告 ~小さなスイカ達から教えられたこと~
結局スイカは4つ食べられました。それほど大きくないスイカを毎回100人弱の園児と職員みんなでいただきました。甘くてみずみずしくておいしかったです。 本当に小さな一切れでしたが、みんなで分け合える幸せを感じる一時でした。
8/14 52cm 実を冷凍。8月28日、シャーベットとしていただきました。
8/25 56cm スイカ割りを楽しんでからいただきました。
8/28 30cm 「中は何色でしょうか?」クイズの後いただきました。
9/8 43cm スイカ割りを楽しんでからいただきました。
【1】30cmでも実は熟し、ちゃんと種もできていて、スイカの味がしました!!
「小さくて食べられないよ。」――― 切る迄食べられないと思っていた子も多かったのですが、赤くなっているのが分かると「食べたい!!」――― 気持ちは分かるけれど、これを切ってもどうしようもないんじゃないかな。それでも食べたいというので切ってみました。(小さくても頑張ったスイカ君、君の力にあやかることができますように。)
【2】ともかく何でも分け合ってみるものなのですね。
一人分のすいかの大きさは、薄いたくわん一切れの6分の1!!?? でも、子ども達は「おいしい!!」と大満足。不思議です。量ではなく質の世界で子ども達は共に食べられる幸せを味わっていました。教えることではないんですねえ。一瞬、「もしかしたら、こんな中で未来を開き世界平和を築く子どもが育っていくのかもしれない。」などという妄想が、広がりました。
秋の実りの季節を迎えて、神さまからの恵みを子ども達と一緒にさらに味わっていきたいものです。
深谷 幸代