2014年4月号

イマジネーション


幼稚園の階段を上りながら、子どもたちのつぶやきが聞こえてきます。「あ、ジャッキーだ!」
「ぐりとぐら、うちにある~」「ミッケおもしろいよな!」階段脇に貼られた絵本のカバーを見ながらの会話のようです。あるクラスでは食後の絵本の読み聞かせに『わにわにのおふろ』が活躍していました。
進級児と新入児が混ざった生活クラスに編成されているので、主に年の小さい方が前に座り、その後ろに進級児が陣取っています。何回も見たことがあるのに、Dくんは「わにが立っているよ。(クス)」Cくん「そうだよね。立つわけないよね?」「ロボットで遊んでいる 」D:「やっぱあのわには男の子か…」まったくぶつぶつページがめくられる度につぶやくのですから、読み手の保育者は気になってしょうがないようです。ちょっと不気味なわにくんが、自分たちと同じように生活しているナンセンスさに、おかしみがたっぷりあるのでしょう。幸せな時間でした。
こんな風に絵本が子どもたちの心の緩衝材になって、新年度の緊張を和らげてくれることは、とても嬉しいことです。そんな想いをもって、『はらぺこあおむし』の絵本を使って、誕生会の出し物を創りました。見終わったその日の食後、幼いKくんが私の手を引っ張って、会場だったホールへ行こうというのです。丁度2階には誰もいなかったので、中に一緒に入って付き合ってみました。Kくんは手作りのあおむしとさなぎにしたビニールを手に取り、床に置いてあおむしをさなぎ状態にして、まるでめんどりのように、さなぎの上にかぶさって、温めるかのような仕草を繰り返していきました。たまには脇に一緒に横になり、あおむしの顔を見つめて話しかけたり、なでたり、にこっとしたり。それはそれは幸せそうな表情です。まるで母親が我が子を愛おしむかのようではありませんか!きっとKくんは、誕生会の最後に出てきた鮮やかな蝶々が生まれ出るのを待ち続けているのかもしれません。帰りの会があるのでお部屋に戻る時間が来てしまって、別れ際大泣きしたかどうかは、想像にお任せ致します(笑)
園長  松本 晴子

4月の幼稚園


★水の好きな動物★
クラスで『ぞうくんのおおかぜさんぽ』(大風の中、カメ・ゾウ・ワニ・カバが風で転がりながらお散歩。最後は大風が吹いてドボンと池に落ちるストーリー)を読んでいた時の事。動物達がドッボーンと池に落ちた瞬間、「あっ、でも大丈夫だ。みんな水が好きな動物だから」とB君。「そうなのかな?」ともう一度皆で確認。確かに水の中に生きていたり、水あびをしたり、池に落ちても平気な動物ばかりでした。B君の発言でまた新たな視点を得た一時でした。


★休憩時間★
昨年まで鬼ごっこの鬼でタッチされると「やりたくない!」と怒って抜けてしまっていたAちゃん。年長になってすぐの氷鬼でタッチされると…?
怒ったような泣きそうな顔で、迷ったあげく「先生と休憩する!」と。数分一緒に休憩すると元気になって戻っていきました。怒りたい気持ちは変わらないけれど、やめたらもっとつまらない。「もう抜けてしまおうか」 「まだ続けたい」  気持ちの葛藤。「休憩」という形で何とか自分を支えようする姿。友達もその姿を受けとめてそっとしておいてくれました。


★ “暖かい” と “温かい” ★
保育者 「今日は暖かいからジャンパーは脱いで帰ったら?」
A君  「・・・うーん・・・」
保育者 「もう春だから暖かいよ・・(もしかしたら脱ぐのが嫌なのかな・・・)」 
― A君突然の閃き! ―
A君  「分かった!春は暖かいでしょ?ジャンパーも温かいでしょ?“ 暖かい ” と “ 温かい ” だから暑くなっちゃうんだね」と納得したA君は上着を脱ぎました。
あたたかいから上着を脱ぐという感覚的なことを、足し算風に結びつけるなんて!


★大きな扇風機★
どんよりした空。冷たい風の吹くテラス。
とCちゃん:「今日は寒いね。あっちで大きい扇風機みたいのが回っているんだよ。」