2016年9月号

さんまの味から


園の給食室で昼食が作られている恵みを感じています。

9月の終わりのメニューにさんまの生姜煮がありました。煮ている時から甘辛い食欲をそそるにおいが、廊下に漂ってきます。仕切りざらにつやつやしたさんまのぶつ切りが煮汁と共に盛りつけられています。5歳児望組は、あっというまにさんまを平らげる姿がありました。おかわりがしたくて、そのあとにご飯を食べる姿も。3歳児星組と、その下の虹組のメンバーは、お子さんによってはさんまに警戒心を抱き、どう食べていいのかわからない?という様子も。手をつけずご飯(お米)を食べ続けています。家庭では家族がむしってあげていて、口に運んであげることが多い年齢なのかもしれません。ことことことこと煮込んであるので、細かい骨は食べられるのですが、骨はやっぱりよけていきます。3歳児のMちゃんはさんまを丁寧に分解し、ほぐしてシーチキンのように広げて、小骨と別にし、手でつまんで食べていました。その丁寧な仕事ぶりに、感動です!生き物として自分の身を守るという安全を求めつつ、おいしさに手が止まらない。生まれて3年の方々です。

3歳のBちゃんは好き嫌いが多いのですが、最近は大好きだったお芋にも飽きてきて、ひたすらふりかけごはんとお汁のみ。他の料理がお皿にのっていると、食べることに気が向かなくなります。ところが私が食べているさんまを少し分けて器に入れたところ、指でつまんでぱくっと食べてしまいました。「おさかな、もっとほしいな~。」
そうなんです。さんまの生姜煮の魅力といったら、ないんです。脂がのっていて、うまみがつまっていて。
食べられるものがひとつ増えてしまったBちゃん、満足しましたね。

身近でとれる食材が安心して頂けて、おいしいということは、当たり前のようでいて今は難しい時代です。放射線も気になりますが、農薬も心配です。大量に収穫できることは農業を経営する上で安心につながりますが、病気を薬で予防しておくことは、どうしても副作用を伴います。それは人間も同じですね。安心してさんまさんの命を頂いて、その味に魅了され感謝につながるようにと願わずにはいられません。今は好き嫌いで残して廃棄していたとしても、将来安全な食べ物は少なくなると考えられますから、きっと幼い頃の体験が生きると思うのです。20年後のことも考えて。

園長  松本 晴子