2016年2月号

森の園(その)


2月のある月曜日、山梨県北杜市清里にある、聖ヨハネ保育園の子どもたちが森で過ごす様子を、見せていただきました。というのも、数年前子どもたちに取って頂いているこどものとも年中版に、『みてみてみて』というものがありました。その写真の作者と写っている子どもたちの園生活の場が、その清里だったのです。その作品に出会わせてくださった神さまに感謝したのを、覚えています。よかったら【 ゴリ(小西貴士)の森のようちえん日記 】で検索してみてください。自然の側から子どもを見たい。神さまの側から自然を見たい。そんな想いがふつふつと感じられるブログで、私は時々眺めては力を頂いています。
さて、暖冬と言っていたのにお訪ねした時は氷点下の毎日で、雪も凍り付いてシャーベット状に輝いていました。そんな中つなぎを着た1才児、2才児の子どもたちが、森の窪地で保育者2名と過ごしていました。持ってきてあったのはプラスチックのカップと、ペットボトルに食紅で色を付けたようなカラフルな水を入れてあるもの。あとはその場所のみが広がります。ひとしきりかき氷屋さん(作ってもらっては、ばんばん潰し、もう一回と繰り返す楽しさ。)をしているメンバー。小西さんが小川のへりに氷のオブジェを見つけて、見せに行くと、オブジェで遊ぶのではなく、自分も…とオブジェを探しに、小川に入っていくことにしたメンバー。石ころ、倒木、雪のかたまりを必死で避けているのは、人生3年めの方々。小さな氷のオブジェを見つけて誇らしげに見せてくれました。そして、「あし、つめたい。」と助けを求めるまなざし。離れた雪原に鹿の群れがえさを探して歩き回っていましたが、きっと子鹿の中にも、やんちゃをして思わぬびっくり体験をしている日々があるのだろうと思います。人間も同じ。『ダーウィンがいく』の長期取材に感動することがありますが、人間の子どもも自然の中ではしゃぎ、苦労し、疲れながら安心できる大人に助けを求め、また笑い、お腹がすいて地元の食材の恵みを頂き、地元の木で立てた園舎に寝転がりと、大きなリズムの中で過ごしていました。
上履きなしで床を歩いている姿。また4,5歳児さんに雪滑りしようと雪坂を引っ張られて、一人は私の足に座り、後ろに3人連なって、「いって!」  もう行くしかない~  こんな人なつっこさも、遠慮のなさも、水戸幼の子どもたちの雰囲気とそっくりで、本当に居心地のよい空間でした。ただ異なるのは自然の中では、自らの傲慢さも覆われてしまう…そんな地球の圧倒的な力強さがあるということ。小西さんの「みみずがここにいなかったら(雪の下の落ち葉の下の土の中)、この森はないはず。」という言葉が心にこだましています。

新人の悩み事


風邪のウイルスが飛び交う室内。目に見えない他の生物におびえる日々。風邪をひき、のどを痛め、ダウンしまいと気を奮い立たせる。でも時には弱り果て…。
本当に大変な場です。他の生き物も必死に生きているから仕方がないのですけれどね。


園長  松本 晴子

つくしっこクラブ
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