2006年12月号

喜びは分かち合いたい!


「クリスマスはサンタさんが来る日だよねー。」という声を、今年は耳にしませんでした。クリスマス間近になって、保育者が、水戸幼稚園にもサンタさん来るかなと言い出して、お手紙書いてみようかとか、来るに決まっているでしょと信じ切る声があがったりという姿だったのです。普段はトイザラス等に出かけて、おもちゃに囲まれてもいるのでしょうが、そういうぎらぎらした、派手な雰囲気は、園には漂いませんでした。それが今年のクリスマスの歩みの成果ではないかなと、感じています。クリスマスのプログラムは、ほとんどが他者のために自分が何かをするという営みでした。その営みを、選んでいいよ、ゆっくりやっていいよ、今日は見ていてもいいよというように、わくわく感じていけるような空気を保育者が意識していったからなのだと思うのです。クラスの保育者は集まりの時、他者の事をよく取り上げました。他者を心配し、想像する姿が子供達の中に出てきます。そして、クリスマス会でおうちの方へのプレゼントを渡す直前には、素晴らしいきらきらした笑顔で、自分がこれから喜ばす相手の事を想像しているようでした。こんなに幼い子供達でさへ、人を喜ばせたい、喜びを共にしたいと感じているのですね。
最後に自分へのプレゼントがサンタクロースから届き、保育者と喜びを分かち合ったのでした!
新しき年も神様の恵みが皆様に満ちあふれますように。

ヒーロー


ドキドキ…ドキドキ…。子ども達の鼓動が伝わってきます。もうすぐ開幕の時間。そう、今日はクリスマス会です。いつもよりちょっぴりおめかしして、王子様・お姫様気分だった朝のあの表情はどこへやら…。ステージの上には、緊張が最高潮に達してしまい、硬直状態の子ども達がいっぱいです。そんな中、私の足下で「やだ、やだ~!」と今にも泣き出しそうなB君…。「先生が一緒に手を繋いで行くから大丈夫!お母さんも応援しているから頑張ろう!」あの手この手を尽くしましたが、やっぱりステージには上がれず…。でも時間は待ってはくれません。とうとう幕が開いてしまいました。
♪Merry Christmas Merry Christmas…♪緊張しながらも精一杯歌う子ども達。その姿に感動しつつも、私の足下で涙を浮かべているB君に目をやると、「練習ではあんなに頑張っていたのにどうして…」という思いが溢れ、私まで泣き出してしまいそうでした。オープニングの最後だけでもステージに行かせたい、と何度も励ましましたが、やっぱり緊張には勝てず…。
でも、チャンスはまだまだあります!次は、様々な虫になった子ども達が、特技を披露する時間です!かわいらしいジャンプに笑いが起こり、大人顔負けの速さの縄跳びに拍手と歓声が沸き上がる会場!みんなが頑張る様子をステージの端でこっそり見ていたB君でしたが…自分の出番が近づくにつれて、なんだかうずうずしてきたよう。にっこり笑う表情も見られ、気持ちにも余裕が出てきたみたいです♪さぁ、いよいよB君の出番。私が「行こうか」と手を取ろうとすると、その手を振りほどいて「自分で行く!」とさっきまでとはまるで正反対☆しっかりと自分の役目を果たし、堂々とステージを後にするB君。劇が終わると「僕、劇頑張ったよ!」とニコニコして保育者に報告する姿があったそうです。
― B君、君はやっぱりヒーローだね☆ ―

つくしっこクラブ
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