2009年3月号

感謝して


「先生、おひさしぶり!」「え……。」振り返ると、先週卒園したN君の満面の笑顔が飛び込んできました。「ほんと、お久しぶり。」とハグしあうと、「幼稚園がなつかしいなー。」とつぶやきます。その日は園のホールでの体育クラブの課外最終日で、卒園した面々がやってきましたが、もう庭で友と遊びたくて、嬉しさでうずうずしながら、なかなか二階へは上がっていきませんでした。毎日会えていた友と会えなくてとか、いつものお気に入りの泥場でお団子が作れなくてとか、遊具の上から風と空の声を聞きながら常磐線が見られなくてとか、当たり前だったことが当たり前でなくなったことにふと気がつき、心の中がぐるぐるしている子供達が何人もいるのでしょう。
楽しかった幼稚園時代を一緒に通ってきた保育者も、大変だったことは過去に去りゆき、日々自分の鏡となった子供達との真摯な生活を、感謝しはじめます。何が正しくて何が正しくないのかという枠は、その時代と社会の状況によってそれぞれ違うのです。それに囚われるのではなく、人間っておもしろいね、素晴らしいねという感覚の大きな枠を持つことができたら、もっと彼ら彼女らのあふれ出てくる泉に気がつけたのかもしれません。
先日の職員の歓送迎会で、悩みしんどかった日々を確かにもっていたはずのB先生が、新採の方に「とても大変だけれど、それにもまして子どもと過ごすことは楽しく、力をもらえる時間である。」と語ってくださいました。私は彼女の成長をどんなに誇らしく感じたことか、ここでお伝えしておきます。
2009年度は、何が待っているでしょうか。
『主において常に喜びなさい。重ねて言います。喜びなさい。』 フィリピの信徒への手紙4章4
園長  松本 晴子

幸せを祈っています!! ── 卒園式を終えて ──


17日には、晴れがましい笑顔が溢れました。一人ひとりと過ごした日々が思い出されます。成長したとはいえ、これからの長い人生を思うと複雑です。(もっと何かを伝えておくべきだったのではないかと思いつつ…)後は神様にお任せし、祈るばかりです。
最後に、この欄をお借りして、テレビ番組でも取り上げられた2人の方の言葉をお分かちしたいと思います。

【1】自分の苦しみも誰かの幸せのために使える?!
自分と同じように小児ガンと闘う子達のためにレモネードスタンドを始めたアレックス(女の子)はこう言います。「人生が酸っぱいレモネードなら、それで甘いレモネードを作ればいい。」――プラス思考がアメリカ中を動かし基金設立への道を開いていきました。

【2】「幸せ」は力になる?!
従業員の7割が障害者という、あるトップ企業の社長さんはこういいます。「人が生きていくために人生で大事なことが4つある。愛されること・ 褒められること・役に立つこと・必要とされていること 」―――この会社の原動力は「働く幸せ」だそうです。

一人ひとりが違っていて、道も異っていていいのだけれど、どの子にも「自分は大切な存在なのだ」と感じ、自分の人生(=いのちが与えられているということを)を喜び楽しみながら生きて行くことができますように。そして、その命を全うできますようにと、心からお祈りしています。
深谷 幸代

つくしっこクラブ
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