戸外のちから

今年は子どもたちとの遠足に、近隣の偕楽園公園を選びました。いばらき国体などで大型バスが不足すると県から言われていましたし、災害への対応を考えるとき、幼児を連れて遠出する範囲も視野に入れたくなります。偕楽園公園は県が整備している広いみどりの緑地で、川が流れ花の種が蒔かれて季節ごとに彩りが変化し、散策やウォーキングなど通り過ぎる方々も見られ、なんとなくの交流ができます。園バスに乗り込んで着いた先には、別の幼稚園が親子遠足をしており、芝地でふれあいゲームが催されている状況でした。

子どもは気づいたにんげん、そしてにんげん以外の物にも心を留め、木の梢に大きくかかる巣の真ん中に陣取るジョロウグモに大騒ぎしたり、宙をくるくると回り続ける色づいた一枚のさくらのはっぱの舞いに、なんで?(落ちないの?)とあっけに取られ、四つ葉のクローバーとかたばみをごっちゃに思って、「4まいだからいいことあるし~」とうれしそう。「先生にもみつけてあげるから!」「ありがとう」のやりとりをする保育者。

広場から見ると、年配の方々が体を動かしながら体操をしているのを、興味深げにじっとみている女子たちがいます。その場での活動が終わってさあ、移動しようとというタイミングで、女子たちが声をかけています。たぶん私たちにも教えてほしいと、アプローチしたのです。人とのつながりは自ら作っていくのが主体性です。それは他者に対する安心感があるときにしか、素直には出ないものです。そのグループのリーダーの方でしょうか。子どもたちの前に近寄り何か言っているのが聞こえました。「申し訳ないね。これは有料なんだよ。」「ゆうりょうって?」「お金がかかるってこと。」「そっか。。。」

しかし気落ちしたような姿に、「これできる?」といくつかの動きのパターンをやってくださり、ちょっとスタジオレッスンのような息の合い方で、お互いの共有が生まれたのです。時間にすればほんの2,3分の出来事でしたが、彼女たちは「すっごくたのしかった!」とあとで担任たちに伝えたそうです。自分たちでアプローチをし、それに足と心を留めてくださって、同じ方向をちょっと眺めてくださった素敵なおとなとの一期一会の出会いです。さりげない年下への配慮など、子どもたちは確実に育っていることを、こんな近くの遠足でもはっきりと感じるのでした。                 園長 松本晴子