樹木の成長には不思議を感じます。植えてからなかなか大きくならない木。種がこぼれて、あっという間に大きく育つ木。あっという間に育ったのは、ねむのきです。おおもとの木が弱ってしまって根元から切ってしまってから3年経ったころには、他の場所で見上げていました。いっぽうジューンベリーの木はなかなか大きく育ちませんでした。この木は果樹です。5月末から6月にかけて緑の実が熟れて赤紫の実になります。子どもたちは毎年、私なんかよりも先に気づく感じです。その木がこの一年かけてぐんと成長しました。
白い花がかすみのように咲いたので、実も一杯なりました。もう預かり保育の子どもたちが摘んでいます。
ということで、翌日は脚立をかついで高いところの実をせっせと私も摘みまして、ジャムづくりをしました。三温糖とレモン汁を振り入れて水分を出し、弱火で煮るだけです。3歳児の子どもたちが数人ついてきたので、木製の園児いすを踏み台にして、一人ずつ眺めた次第です。あ~あ自分の家庭でも子どもと一緒にやればよかった。。。と後悔しきりです。こんな時間はやはり幸せな時間だからです。みんないい顔。
さわやかな甘さのこのジャムを、ちぎった小さな食パンに付けて、味見をしました。子どもたちは遊びに夢中でも、話を聞きつけて次々やってくるのでした。恐る恐るほお張ったあとの、ふわ~っと顔つきが変わっていく姿に、どちらも幸せを感じました。食べず嫌いの方もあきらめず、パンだけ食べたいと言い続けて、友だちがその言葉を後押ししてくれるのも、なんかいいな~と思いました。(私の心が動かされたので、パンだけは実現しましたよ!)どんな食でも、その場がなごやかならばいいのかもしれないな。。。と、教えられました。最初はベリーを体験してもらいたいという教育的気持ちが強かった私は、自然であるとは?ということを教えられたように思いました。果樹の上のほうにはまだ実がいっぱいです。むくどりがもうやってきています。わかちあいますよ、むくどりさん!恵みは十分頂きましたから。 園長 松本晴子