2000年5月号

ままごとどこへ?


またまた新聞を見ていてみつけた記事。『お母さんよりペット役人気』(朝日新聞)。え、これって全国的な事だったの!と驚いてしまいました。当園でも犬や猫になりたがる子供が目立ってきたのは、5、6年前からでしょうか。エプロンに紐を付けてもらって四つん這いになり、飼い主に連れられて、階段を上がっていく姿。餌をもらって喜んで飼い主に甘える姿。その他赤ちゃん役もよく見られます。世話(ケア)を受けることが快く、リラックスできるのでしょうか。うまく甘えられないで幼児になり、無条件に甘えられる疑似体験を求めているのかもしれません。
最近の傾向で新しく出てきたのは、男の子の女装姿です。バス通園で1回目のバスに乗って子供達が半分くらい帰った後、やってみたかったのであろうロングスカート姿になって、鏡を見て笑い転げていたりします。〈気持ち悪い〉と見ていて思う子供もいますが、男であるという体面 を回避したいと無意識に思っている子もいるのかもしれません。今は男性にとって大変な時代ですからね。
ままごとは現代の世相を映す遊びなのですね。

あじさいさんの幼子発見


逆上りにチャレンジ
年長児でもまだ成功者は3~4人の鉄棒での逆上がり。出来る子は練習している子がいると「こうだよ」と得意気です。まだ、補助台(縁台だったような1メートル程の台)を使っている子は、楽しみながら逆上りをしています。望組(年長児)のYちゃんは黙々と補助台なしで練習しており、ここ数週間、鉄棒に向かう姿をよく見かけていました。手の平にはちょっと硬くなってきたマメがありました。暑い日には汗をかきながらも、一生懸命足を振り上げます。この一瞬に力を込めて。これこそ『一所懸命』というものでしょうか…。翌日、「先生、鉄棒やる」とYちゃん。見ていて欲しいとの誘いが掛りました。私も他に違う励ましの言葉は見つからないのか!と思いながらも「がんばれ」「もう少し」「あ~おしい!」と何度言った事でしょう。
少しずつ足が上がってきた時、Yちゃんが手を広げて見せました。そこには『勲章』がありました。私自身も経験のある傷みです。でも転んだ怪我の痛みとは違い、自分の努力の結果 の傷に満たされた素敵な表情のYちゃんでした。

視力検査でのひとこま(望組)


ボタンで電気がつく視力検査器
「はい、じゃーこれは?」とMちゃんの顔を見て。
「……。」
「(ん?見えないのかな?分からない?)」
しばらく無言。そして「なにもない」 
「(何!そんなはずは!!)」
確認すると、保育者の押し間違いで空白のボタンを押していたのでした。Mちゃん「なにもない」で正解。 K君の番です。右手に目を隠す黒い検査棒を握りしめ、ちょっと緊張気味?に立っています。保育者の「はい、それでは目を隠して~」という声に、右目は黒い検査棒。左目は左手で…。それじゃー何もみえないぞ~!!思わず吹き出してしまった保育者でした。 

つくしっこクラブ
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