2003年1月号

暖かな日差しに誘われて


 久しぶりの暖かな日差し。子供達はジャンパーも羽織らずに、庭で遊んでいます。庭の片隅にままごと用の小屋があって、4歳児の男の子達がかたまって遊んでいます。何をしているのかな?と寄ってみると、あらあら小屋の周りをスコップで掘り起こしています。バケツで溝に水も流し込んでいます。小屋の中には、窓からどろどろの砂が投げ込まれています。
 「おもしろそうだね。何をしているの?」とTくんに聞くと、
 「あのね、この家の毒を探して、取っているんだ!」とのこと。毒ね…と思いつつ、また、このままいくと家の土台にぶつかるかなあ、木製の家だし腐っちゃうかなと、内心あわてましたが、しばらく様子を見てみました。4人の男児で、すぐトラブルになるメンバーでしたが、Tくんのイメージを共有しているのか、めずらしく和気あいあいと建築現場の若者衆のように、動いています。泥と水で塗たくられた小屋を見つめつつ、こうやって今は失われた原始的な方法を再現しているのかもしれないと、思ってしまいました。
 片付けは、
 「もうそろそろ夜だし(まだ真っ昼間でしたが)、毒がいつまでもあっても怖いから、埋め立てをしよう!」と言うと、割合すんなりのってくれました。残念なことに!!?翌日には続きませんでしたが、4歳児の間に信頼関係が育ってきていることが、嬉しかったですね。

お正月遊びから


 年少児のK君との羽つきは、保育者にとっては、あめとムチのような、そして忍耐が試される羽つきでした。きっと生まれて初めてやる羽つきに魅せられたK君は、保育者を見つけると「やろう、やろう」と手を引っ張り、羽子板をかまえます。まるで野球選手のような羽子板の持ち方のK君。そしてバッティングピッチャーの様にK君の打ち易いように羽を打つ保育者。K君は“クルッ”と身体を回転させ打とうとするのですが、なかなか、いえ全然羽子板に当たる気配がありません。何回も同じようにやっていると、K君は地面に落ちた羽を必ず一度、羽子板でピシッと押さえるので「なにやっているの?」と聞いてみました。「これっ、虫なの、虫」との答え。
 『ハエ叩きかしら…?』などと考えながらやること数回!“カキンッ”とK君の羽子板に当たりがありました。「やったやった」と大喜びするK君。何度も何度も、いくらやっても羽子板に当たらなくても挫けなかったK君。「風吹いてきたから、違う遊びにしよう」と言いかけてしまった保育者でしたが、K君の打てた時の笑顔に支えられました。

つくしっこクラブ
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