2009年7月号

未知の世界


ミニトマトが実りだして、朝、私から「食べたい人!」と声をかけられ、「はーい。」と振り向く子供達がふえてきました。もちろん自分でもいで、洗ってたべてもかまいません。きゅうりは初回から3回目までは、お手製の味噌マヨネーズ(味噌とマヨネーズに少しお酢を足して、よく混ぜたもの)を添えて、各クラスに運んでみました。今年度はこの方法がぴたりとはまり、きゅうりが苦手だったお子さんも、味噌マヨの魅力にはまり、食べてしまいました。もちろんおかわりも殺到です。
こんな元気いっぱいの子供達のうち、年長児の子供達は、楽しみにしていたお泊まりキャンプに、7月出かけてきました。おそろいの色に染めたTシャツは、なんともいえない連帯感を醸しだし、家では不安を隠せなかったであろうメンバーも、出かけるのが当たり前のことという様子の出発となりました。目的地はどこにでもありそうな里山なのですが、水田に流す水にも気を配っていて、田んぼの中には生き物が色々とうごめいています。たまたまひとかき網をすくうと、ざりがにがかかっていて、自分のすごさに喜びわきたつ姿。カエルにバッタと、はねるのをどこまでも追いかけていって、よく田んぼにはまらないものだと、感心させられる子。子供達の様子を撮影しているカメラマンさんが、実はわんぱくな生き物好きのお子さんだったであろうということの発見。沢ガニやどじょうをあっというまに目で捉えて、大きな業務用のビデオカメラを持ちながらせっせと子供達に教えていたのです(笑)。
そして最も心に残ったのは、ナイトウォッチングへ出かける子供達の姿でした。まだなんとなく明るいという状況でも、疲れや日常との違いから、夜の冒険は嫌がるお子さんがいるものなのです。が、浮き浮きと長袖に腕を通し、それぞれの懐中電灯を首にさげ、目を輝かせて出発を待つ姿がそこにはありました。山道を下っていく時も、あちこちを照らしながら、ちょっとした発見に驚きを隠さない子供達です。なんともはや私はこの子供達に心を射貫かれてしまったようです。「先生やスタッフがいる!」という安心感が強くあったのでしょうか。
自分の知らない世界があちこちにあるという兆しを感じておくことは、前向きに生きていく原動力の一つです。未知の世界を探求したいという種は、遊びに夢中になった幼少時代に蒔かれているのです。それぞれが自分のエネルギーをぐーんとかけられるものと出会えるようにと、いつも夏は思わされます。
園長  松本 晴子

ねじって遊ぼう


先日、ペットボトルシャワーを作って遊びました。穴を開けたペットボトルを高いところにつるします。シャワーのように水が出るだけでも面白いのですが、水を入れる前に何度もねじっておくと、回転しながら水が噴き出すので尚更面白いのです。コツは沢山ねじることと、なるべく穴から出ないうちに一気に水を入れてすぐに手を離す事です。水の動きに魅せられた子ども達が何度もねじっては水を入れて遊んでいました。
その中にはねじることに慣れているお子さんと、紐をねじったり、ペットボトルをねじったりとなかなか安定しない手つきのお子さんもいます。でも、回転させたければ何度も挑戦しコツを体得するしかありません。子ども達の吸収は早く、手つきはどんどん良くなっていきます。中には友達と協力する子、水をかなり多めに汲んでおく等、工夫する子も出てきました。
中には失敗もあり、一生懸命ねじって頭の中には水が噴き出すイメージがあったであろうに、水をいれる事を忘れて一瞬あっけにとられたり…。右手に水を持ち、左手だけでねじろうとするので両手を使う事を知らせたり…。1つの遊びから学ぶ事は色々あるようです。
ねじる動きは生活の中で少ないかもしれません。でも、その日の午後、水筒に水を入れて欲しいというお子さんが水筒を自分で開けていて、こんな事の繰り返しなのだろうとふと思いました。蛇口、水筒、ペットボトル…他にはどんなものがあるでしょう。ちょっと気に掛けながら日常を過ごすのは大切なことかも知れません。
小林悠子