涼やかな水
8月夏期保育の2日目。この日は7月末にやったどろんこ広場をまた再現してみました。ホースから水をひいて、4カ所が水場となり、大きなどろんこ池、小さな滝水、ペットボトルシャワーに小さな噴水。と水の公園のようです。パンツになって颯爽と登場するお子さんもいれば、保育者に誘われる前に「やらない。」と最初に防御を張るメンバーもいます。裸になることや、着替えて準備をすることがおっくうというのが内心あって、やらないと表現していることもよくあります。ですから、服を着たままで水に手を出し始める姿があったら、「着替えておいで!」とやり方を踏襲させることは二の次にして、知らんふりをして何を始めていくか見守るのが、体験させるポイントです。「何だろう。」と心が動いたところから、既に遊びは始まっているのです。
暑い日は水が恋しいもの。いつのまにか服が濡れているのもおかまいなしに、いかにして水を遠くに飛ばすかに熱中していたりします。めんどくさかった場合でも、濡れれば遊び終わった後に着替えもしっかりやりますし、生活のことも身につけられます。チャンスは見守っていれば、いかようにもころがってくるようです。ゆっくり見守っていいのが、遠回りしていいのが教育・保育・子育てなんですね。効率はなじまない。
夏の間の学びで、日本が経済至上主義をなにより優先的な空気にしていることを、示されました。育児や教育も、投資をして利益をうまく回収したいという効率的な思いに覆われやすい。たくさんの情報は、吟味すればみな後ろに企業がいます。「エコは目的にしていいのか。エコのために何かをすると、エゴに陥る。目的化された時点で、ボタンを掛け違う。エコとは道であり、プロセスであり、人生そのもの。」こんな文章に出会うと嬉しくなって、心を涼やかな水で洗われる思いがするのです。
園長 松本 晴子
凍ったトマト
夏休みの間に園庭で育てた「ぼっちゃんカボチャ」が7つ採れました。小さくても形がよく、たくさん収穫できたことは感謝です。先日、それを薄くスライスして、ホットプレートで焼いて子供達と頂きました。味付けは塩こしょうでシンプルに。切ってみるとカボチャの中身は濃い黄色のものと、やや若い薄い黄色のものがあり、子供達は「(色の薄いのは)きゅうりだよ、きっと」等と推測しながら焼けるのを楽しみに待っていました。いよいよ焼けました!「こっち(濃いもの)の方が甘い!」とさっそく食べ比べ!暑い日のバーベキュー、さっぱりとした味付けのカボチャはおいしかったのでしょう。何度も並んで手を伸ばす姿が見られました。
そしてまた別の日は、冷凍にしておいたミニトマトの試食日!「すっぱかったよ。でもおいしかった」と話していたA君。ほかにも、この夏はキュウリも何度か食べられました。
身近に実ったものを食べられることは本当に嬉しくてわくわくするものです。ミニトマトをさらにカットしているのですから口に入るのはほんのわずか。でも、だからこそ子供達は大事に咀嚼して味わうのでしょう。一緒に食べる友達の顔を見ながら「甘い」とか「酸っぱい」とか言い合いながら食べてみる。もし、大きくなってふと懐かしくなるような、「今食べれはなんてことないのに、あの時はなんだかとってもおいしく感じられた」なんて思い出が残れば最高です。暑い夏、アイスクリームのおやつは次回にまわして、キュウリのみそづけや冷たく冷やしたトマトはいかがでしょう??お家の方や友達が一緒においしそうに食べてくれたら、嬉しさがアップして夏を体感していけると思うのです。
小林悠子