2013年8月号

3歳児 ・ 夏の子ども


さわやかな風が朝晩と吹く日があって、やっぱり季節は移っていくんだわ。。。とちょっと秋の空のような心持ちになりました。夏休みの中の夏期保育は、子どもたちがゆったりとした時間の中で、身近な環境を味わう良い機会となります。お兄ちゃんが小学校の夏休み中だから、僕も休むと泣いてきた3歳児さん。テラスでしっかりと彼の手を握り、「お休みしたかったの。。。そういえばお兄ちゃんも幼稚園の頃泣いていた日があったよ。」などと話しながら担任へ手渡します。次に気がついたら外に出てきていて、じーっと鉄棒横の地面をしゃがんで眺めているのです。もう一人お仲間がきました。二人ともじー。。。私に気がつくと指さしをして、その先にはせみのご遺体がありました。もうばらばらになっていて、羽数枚とぎざぎざの足と目のついているところがころがっています。体はえさとして運ばれてしまったのでしょう。黙って一つ一つを拾って、砂を払って、私の手の上に並べてみました。「なんでばらばらなんだろう。」不思議で不思議でたまらないまなざしを感じます。愛おしむような空気を感じます。地面に広がっているサルノコシカケの上にもう一度そっと並べて、「カラスがせみを食べたのかもしれない。」と話しかけ、その場を離れました。振り返ると通りすがりの3歳児がもう一人加わって、3人が頭を付き合わせて地面にしゃがみこんでまだ見ています。3歳児は素晴らしい年齢です。そうそう、今日は真っ赤な絵の具を筆にたっぷり付けて、地面の砂に塗りつけている3歳児さんがいました。シックな煉瓦色になった砂の美しいこと。毎日毎日あれ?っというさりげない発見をしているんですよね。
そういえば夏の研修先でお会いした『ばばばあちゃん』の作者、さとうわきこさんは、子どものこんな発見がたまらなくおもしろく感じる方のようでした。たぶん、ばばばあちゃんは永遠の3歳児なのかもしれません。
園長  松本 晴子

私の夏休みの宿題


研修に行ってきました。個性的な先生方の保育に対する熱い思いを語る迫力に、眠気はすっ飛んで飛んでいきました。保育者の犯しやすい失敗のエピソードに会場は「そうそう そうなんですよ」の共感と失笑の渦。一緒に笑いながら、保育の基本とその目指すところを改めて考えさせられました。

★「あそび心は世界を変える」
子どもは現実とファンタジーの間を自由に行き来する?!
唐突でしたが、カンガルークラブの時試してみました。「この部屋の中の匂いを探してみよう!!」と声を掛けると、子ども達は嬉々として捜し始めたのです。ロッカーをくんくん、テーブルをくんくん、フックにかかったリュックをくんくん…。「いい匂いがする!」「お花の匂いがするよ!!」次々と目を輝かせ子ども達は報告して来るのです。「チョコレートの匂いがする!」と言うのにはびっくりしてしまいました。見慣れた何の変哲も無い保育室から次々と発見される「宝(!?)」にやや興奮。遊び終わって、園長からスプーン一杯のジャムを一人ずつ順番に頂いてもう大満足の子ども達でした。

★「保育者は響関者」
私はちゃんと響く心を持っているかな…。子ども達の心の発するものに共鳴し、関わっているだろうか…。年少組のA君とブランコをこぎました。きれいな空と心地よい風を受けて、A君と「楽しい!!」ひと時を共有しました。お弁当に入っていたエビとちくわではなしは盛り上がり、何が好きかの討論会のようになりました。でも…広がらない。もっとあそび心を全開にしてあそんだらどうなるのかな…。子ども達にはできるのにどうしてできないのか…。いい年して「本気で遊ぶこと」を考えさせられています。
虹組担任 深谷幸代

つくしっこクラブ
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