2003年4月号

ほっとするひととき…


 新学期が始まって3週間が過ぎました。あの子もこの子も気になってという毎日。あの子にこの子に気が届かなくってという毎日。「どうぞそばにいられなくても、神さま守ってくださいね。」という思い。そんな中、泣くことが多かった新入Nちゃんが、ちょっと泣く勢いが変わってきたね!と担任と目配せをする日があり、そして翌日には全然泣かずに、同じクラスのMちゃんと
「先生、氷鬼やろう!」と声をかけてくる姿がありました。ああ……とほっとするひととき。油断はできませんが、感謝の思いと、子供の力への信頼が沸く瞬間です。
また、年長児のKくんが相手をしてくれて、ただただ遊びたい新入児のTくんは満足。
「こっちの手をこうやるんだよ。」と何かのキャラクターの仕草を教えてもらい、OKをもらってすごく嬉しそう。Kくんだって、年中のこのあいだまで、こんな余裕はなかったのに、と不思議な気持ちにさせられます。こんなふうに、子供が子供を支えていることで助けられていることも一杯あります。
 子供達の帰り際、ばたばたとしながら、それぞれにさようならを言い終わって、はあーとテラスに戻ってくると、持ち上がりの年中児のRくんがほっとさせてくれました。
「ねえ先生!小林先生の髪ってラーメンみたいだね。」
おしゃれな彼女は、この言葉を誉め言葉ととってくれるでしょうか?!
 今年もスタートです。

たんぽぽのぬくもり


 4月、1つ大きくなった進級児、そして新入児との出会いから今年度もスタートした。笑顔で登園する進級児と違い、不安な面持ちで門を入ってくる新入児。初めてお母さんと離れて過ごす時間に戸惑い、涙する子も例年通り。そんな中、バスで通うA子も涙・涙の登園となった。何日か経ち、さぁ今日はどうかな?とドキドキしながらバス停を見ると、お母さんと手を繋ぎ笑顔で待っていたA子。(嬉しい瞬間!!)お母さんの手をすっと離し、乗ってきてくれた。手にはタンポポを1本握りしめている。席に座るなり「(担任の)先生にあげるの、綿毛って言うんだよ」と話してくれた。そればかりか、昨日泣いていたB子を気にかけ「あの子泣いてるかな?」と心配までしている。(あんなに不安で泣いていたのに!!)B子のバス停に着くと、窓から探し「やっぱり泣いてるよ~、先生のここ(膝)に座ればいいね!」と、またまた優しい発言にびっくり。泣いていたB子と自分が近い感じに思えたのだろう。園に着く頃にはタンポポは手のぬくもりでくたっとなってしまっていた。しかし、A子の担任は“笑顔で登園してきたA子”と“気持ちのこもったタンポポ”2つのプレゼントをもらい、心がぽかぽかになったことだろう。保育者は、ほんの小さな出来事から元気をもらい、パワーの源となっているのだ!!

 P.S  今ではA子?B子、クラスは違うけれど仲良しになり元気いっぱい遊んでいます!
                   

つくしっこクラブ
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